マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

誰も教えてくれない間取りの見方1. 間口スパン(2ページ目)

一戸建てと比べて自由裁量権があまりないマンションの間取り。暮らしやすく素敵に見える間取りとは……「マンションの間取り」の見方をお教えします。今お住まいの間取りの間口スパンは何メートルありますか?

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

スパンが狭いと家に居たくなくなる?

逆に狭いと、細長い羊羹(ヨウカン)型の間取りになるため、バルコニーに面した部屋(主LDK)はたいてい1室しかとれません。その他の部屋は真ん中の行燈部屋、外廊下に面した窓を開けては暮らせない部屋となってしまいます。このように狭いと圧迫感があり、長い時間室内にいるのがうっとおしく感じてしまいます。

間口がやや狭いプラン

間口がやや狭いプラン。ワイドプランと比べると、バルコニーの間口も狭くなってしまう。

我が家は片付かない!と嘆く奥さんの家の間取りは、スパンが狭い傾向が見られます。家の中にいるのがうっとおしいから、日中外出しがち→つい目についた小物・雑貨を買ってしまう→家事をする時間が少ない→モノは増える一方で片付かない→更に家にいるのがうっとおしさが増す。といった悪循環に陥ってしまうのです。


ワイドスパンの住戸は少ない

実際にマンションの間取りを見てみると、狭いスパンの間取りはたくさんあるのに、広いスパンのものが意外に少ないことに気づきます。なぜ、そうなってしまうのでしょうか。

マンションの売り手は、取得した土地に、建ぺい率、容積率を上限まで使いきり、一戸でも多くの販売住戸数が稼げるように設計します。たいがいのマンション用の土地は長方形に近い形状なので、スパンを広くとるより狭くとった方が、販売戸数を多くすることができるというわけです。

戸数は少ないけれどスパンが広く、住戸面積の広い大型間取りという発想もありますが、大きい分、販売価格は高額になってしまい、買い手がつきにくいのです。お金持ちが買い手となる高級立地以外には、収支が成り立ちにくいので、ワイドスパンを優先した間取りを敬遠します。

したがって、実際にあるワイドスパンは狭いスパンを優先して設計した結果、余ったスパンを活用することでできるものなのです。つまりワイドスパン=狭いスパン+余ったスパンなわけです。これがワイドスパンの少ない理由なのです。
間口と戸数の関係

販売戸数を増やすために、間口の狭い羊羹型プランのマンションが多い。


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