ブランズ四番町「立地」
今月20日、「ブランズ四番町」(東急不動産、京阪電鉄不動産)モデルルームが一般オープンに先駆け、記者向けに公開された。同物件は、マルチアクセスな交通がまずは特徴のひとつ。JR中央総武線「市ヶ谷駅」徒歩4分。東京メトロ有楽町線「同駅」徒歩3分。同半蔵門線「半蔵門駅」徒歩7分。山手線の主要ターミナル駅である新宿、渋谷、池袋、そしてほぼダイレクトで東京にもつながる利便の良さが際立つ。
次に、御屋敷街の大きな区画の街並みである番町には珍しく、南側と北側の両面で接道している敷地に注目しよう。南隣地が道路を隔てているのは、将来的にも日照とプライバシーに有効にはたらく。細長い地形であるために、間口の狭い北側はアプローチに特化。たいそう重厚な門を構え警備員を配置した。一見、ゲーティッドセキュリティの装いである(右上画像)。
建物の特徴
建物の魅力は、免震を採用した長期優良住宅認定マンションであること。耐震性や更新の容易性など9つの項目をクリアした長寿命住宅は、分譲マンションではまだまだ比率が小さい。税制優遇や長期間の住宅ローンが特別に許される希少性を有した物件だと捉えることができる。建物のかたちは、至って整形。安定感のある姿をしている。壁面には大振りのタイルを貼り合わせ、四隅の開口部はガラスで覆った。敷地内を豊富な樹種で埋めることにより、周囲の景観にマッチした風格を目指したようだ。ただ、外観の精悍さを優先させたあまりに、あるいは北側のアプローチで消化しなかった容積(床面積)を取り返そうとしたためか、柱を完全に室外に追い出すことができなかった。
もしマンションというものが、奥行きのあるバルコニーを周囲にめぐらし開放感を優先させたタイプとホテルライクな隠れ家的タイプの二つに分かれるとするならば、この物件は後者になる。総戸数100戸超のスケールを有した番町住所の免震マンションは、見た目も重厚で資産性が期待できそうだが、室内の出っ張りはある程度受け入れざるを得ない。柱は、免震でもここまで太いかと思わせるほど(タイプによっては)存在感が出てしまった。
さて、東急不動産のマンションブランドは「ブランズ四番町」を機に、そのコンセプトを一新した。次ページへ。