旅行でも語学学校の授業でも、まず必要とされるのは挨拶言葉。言葉というものが人と人をつなぐものであれば、その第一歩はやはり挨拶ということになりましょう。
ドイツ語にももちろんいろんな挨拶表現があり、様々な場面での様々な思いが形にされています。

基本的な挨拶


最も知られているドイツ語の挨拶表現は、以下の3つでしょう。
Cafe

午前のカフェでは、Guten Morgen!が交わされる



Guten Morgen!(グーテン モルゲン!/おはよう!)
Guten Tag!(グーテン ターク!/こんにちは!)
Guten Abend!(グーテン アーベント!/こんばんは!)

要するに形容詞gut(グート/良い)を各時間帯を表す名詞の前につけたもの。
それぞれ英語の„Good morning!“ „Good afternoon!“ „Good evening!“ に当たる表現なので、分かりやすいと思います。

ドイツ語の格変化について知識のある方は気付くでしょうが、これらの挨拶は字義通りにはGuten Morgen!(良い朝!)、Guten Tag!(良い日!)、Guten Abend!(良い夕べ!)というふうに、4格(対格)という形を取っています。なぜでしょうか?

それは、これらの挨拶がもともとは、Ich wünsche Ihnen einen guten Morgen!(イッヒ ビュンシェ イーネン アイネン グーテン モルゲン!/あなたにとって良い朝でありますように!)のように、相手を祝福する言葉によるからです。
あなたに「良い朝を」、「良い日を」、そして「良い夕べを」願います、という、祈りが込められているわけですね。

あとは英語の“Good night!“に対応する挨拶として、Gute Nacht!(グーテ ナハト!/おやすみ!)がやはりあります。
これも4格ですがNachtは女性名詞なので、gutの格語尾は-enではなく-eとなっています。

南ドイツでの「こんにちは!」

南ドイツやオーストリアでは、Guten Tag!に当たる表現として、Grüß Gott!(グリュース ゴット!)が用いられます。

なぜ挨拶にGott(ゴット/神)が登場するのかといえば、こちらも本来はEs grüße dich Gott!(エス グリューセ ディッヒ ゴット!/神が君に挨拶を送りますように!)という、相手を祝福する言い回しが簡略化されたものだからです。

さらにバリエーションとして、家族や友人などごく親しい相手にはGrüß dich!(グリュース ディッヒ!)、複数相手ならGrüß euch!(グリュース オイヒ!)。
そこまで親しい相手でなければGrüß Sie!(グリュース ジィー!)という挨拶もあります。

また正午ごろ、職場の同僚同士が交わす挨拶としてMahlzeit!(マールツァイト!)というものがあります。これは本来、「いただきます」「召し上がれ」といった、食事時の言い回しなのですが、昼飯時には挨拶言葉にもなるわけです。
ドイツ語圏の企業に勤めたりしない限りなかなか使う機会はなさそうですが、会社や役所を舞台にしたテレビドラマ等で耳にすることのある言い回しです。