4品で500kcal!? 糖尿病　ヘルシー料理教室(2ページ目)

糖尿病患者と家族を支える情報を発信

今回のレポートは、治験（臨床試験）支援機関のインクロム株式会社が主催する「糖尿病 ヘルシー料理教室」(2012年11月22日開催/大阪市中央区・トマトクッキングクラブ 本町スタジオ)です。お話は、同社広報ご担当　三野　由紀子さんに伺いました。

インクロム株式会社は、治験（*）つまり「治験薬を開発して、厚生労働省の承認を得るために行なう臨床試験」を支援する事業を行っています。当社が支援する提携医療機関を通じて、様々な患者さんと関わってきました。

医薬品開発の一端を担う企業として、糖尿病や合併症を防ぐために糖尿病についての正しい知識をわかりやすく提供する必要があるのではないかと考え、当社では、2009年から糖尿病に関する情報を掲載するサイト「メディマグ.糖尿病」を運営しています。

今回の料理教室は、その啓発活動の一環で、治験を通して2000人以上の糖尿病患者と関わってきた専門知識を生かし、糖尿病の人や、患者さんを支えるご家族にも安心して食べられる食事のコツを楽しく学んでいただきたいと思っています。

大阪の教室では、これまでもローカロリーな「Kireiクッキングコース」や、男性対象の「かんたんヘルシー料理コース」などを実施されてきたトマトクッキングクラブさんとのコラボレーション企画で、4品というボリューム感がありながら500kcal以下のヘルシーメニューを実際に作っていただく内容となっています。

糖尿病食というと、カロリーは気にするけれど塩分は意外と無関心な方も多くおられます。塩分が多く味付けが濃いと、ごはんをたくさん食べたくなり食べ過ぎにつながります。また塩分が血圧に関わることもあり、高血圧は糖尿病を悪化させるため、減塩も大切なポイントになります。

低カロリーのためには和食がふさわしい面もあるのですが、洋食の方が減塩しやすい面もあります。またせっかく料理教室で実習していただくのですから、家庭料理では挑戦しにくかった洋食メニューで構成することにしました。コツをつかんで、日々の食卓でも活用していただけたらうれしいですね。


*治験とは
厚生労働省は、新薬の使用を許可する際、その安全性と有効性(薬効)を裏づける種々の資料の提出を義務付けている。それらの資料には、動物レベルの試験である「非臨床試験」や、ヒトレベルの試験である「臨床試験」の情報が含まれており、このヒトを対象とした臨床試験を“治験”と呼ぶ。