寒くて暗い雪国で、コーヒーは文化であり、必需品
コーヒー袋には農家の情報や豆の特性が詳細に書かれている
また、シャイな国民性のノルウェー人にとって、コーヒーは「コミュニケーションにおいて必要不可欠」なもの。職場の会議、学校、友人の家、どこにいても最初の誘いの一言は、「コーヒーを飲もうか?」。会話のきっかけとなるのは、お茶ではなく、コーヒーなのです。
「ノルウェーでは、お茶は赤色ベースのフラワーティーなどが人気のため、“女性っぽいもの”というイメージがあります。コーヒーのほうが老若男女に問わず好まれますね」と、国内最大規模のカフェチェーン店「カッフェ・ブレネリ―エ」のオーナーであるステイナール・パウルスルード氏は説明します。
ノルウェーの大手コーヒーメーカーが大量生産する、
質にこだわったコーヒーが、一般客の買い物カゴの中に!
質にこだわった商業コーヒー&アメリカやヨーロッパ他国と比較しても、ノルウェーコーヒーは浅煎り
「Kaffehuset Friele、Joh. Johannson Kaffe、Coop Norge Kaffe、Kjeldsberg KaffebrenneriやPalsというノルウェーのコーヒー市場90%以上を独占する国内大手コーヒーメーカーは、海外の大手他社と比べると非常に質の良いコーヒーを販売しています」と同協会のダイレクト・マネージャーであるマーリット・リーネス氏は語ります。
「ノルウェーは、ネスレ社以外の大手海外コーヒーメーカーが未だに大規模な進出に成功できていない数少ない国です。低品質のロバスタ・コーヒーは、2%しかノルウェーには輸入されていません。ヨーロッパやアメリカに比べて、ノルウェーのコーヒーは浅く焙煎されており、ブラックコーヒーが一般的です。砂糖やミルクをあまり必要としない浅煎りなので飲みやすく、その結果コーヒーの消費量が世界的にも圧倒的に高いのです」(リーネス氏)。
リーネス氏とのやり取りで見えてきたのは、大量生産し、スーパーなどで低価格で販売しているノルウェーの大手コーヒーメーカーも、他国と比べると高レベルのコーヒーを焙煎し、卸しているという意外な一面でした。
ノルウェーコーヒー市場へ参入したがる、
海外大手コーヒーチェーン店
海外コーヒーメーカーが事業拡大に苦戦するノルウェー。ですが、現在国内ではスウェーデンのチェーン店であるWayne's Coffeeが店舗数を増やし続け、同じくスウェーデンのEspresso Houseにも今後進出計画があるとノルウェーのメディアでは取り上げられています。また、2013年はスターバックスがオスロ市内にいよいよ本格参入してきます(2012年現時点ではオスロ郊外の空港内に1店舗のみ!)。「ノルウェー人のコーヒー摂取量は世界でもトップ」という事実に、商売のチャンスを見出す海外コーヒーチェーン店は多いようです。
次は、コーヒーの質にとことんこだわった、ニッチ市場の「スペシャルティコーヒー」について迫ります!