PS3とPSPを味方につけられる日を
ソウル・サクリファイスは、様々な魔法を使って戦うアクションゲーム(イラスト 橋本モチチ)
ただ、このPS3やPSPとコンテンツが被ってしまうという状況、悪いことばかりではないんです。PSVitaが現状かなり苦戦していて、強力な独自タイトルも少ないという中で、PS3やPSPとコンテンツが被ってしまうと、新しくPSVitaを買ってソフトを遊んでもらうという場面を作り出すのが難しく、どうしても既に持っているPS3やPSPで遊べばいい、という形になってしまいます。
しかし、たった1タイトルでも、PSVitaだけの強力なキラータイトル、PSVitaのハードを買わせる力のあるタイトルがあったとすれば話は別です。PSVitaを持ってさえいれば、据え置きハードで洋ゲーを遊んでいるユーザーも、PSVitaでも遊んでみようと考える可能性はぐっと高くなるでしょうし、PSPとマルチのタイトルだって画面の綺麗なPSVita版が選ばれるでしょう。
では、どのタイトルが最初にPSVitaを引っ張っていくのか、それだけが問題です。もちろん、PSVitaの独自コンテンツがないわけではありません。SCEが元カプコンでロックマンシリーズなどを手がけた稲船敬二氏と共に制作しているソウル・サクリファイスなど、ポテンシャルが未知数な新規タイトルには、ハードを引っ張るパワーを持つ作品に仕上がることを期待したいところです。
今、PSVitaのタイトルの多くは、結局似たようなソフトがPS3でも遊べる、PSPでも遊べるというように見えてしまっています。しかし、PSVitaがPSVitaらしさを打ち出すことができれば、あのタイトルもこのタイトルもPSVitaで遊べる、という逆の見え方を演出することもできるはずです。その時初めて、PSPやPS3は敵ではなく、強い味方になってくれるのではないでしょうか。
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