PS3と被る洋ゲー施策

コールオブデューティーの図

携帯ゲームハードで洋ゲーを遊ぶというスタイルは、今まであまりなかったものでした

年末におけるPSVitaの施策というと、1つには洋ゲー、つまり海外のゲームが挙げられます。洋ゲーの分野はここ数年でかなり浸透してはきましたが、正直に言ってそれでもまだまだニッチなジャンルであり、一部のコアゲーマーしか遊びません。そういう意味で、洋ゲーを注目タイトルに置かざるを得ない状況自体がその苦しさをにじませています。とはいえ、携帯ゲームハードでの洋ゲーというジャンルは今までほとんど手付かずの市場で、ここが開拓できるとすれば新しい分野を手にできるという可能性を秘めているところでもあります。ライバル機の3DSでも、ほぼ未開拓の市場です。

ただし、ここでライバルになるのは実は3DSではありません。PS3です。PSVita注目の洋ゲーは「アサシン クリードIII レディリバティ」、そして「コール オブ デューティ ブラックオプス ディクラシファイド」の2作です。どちらも洋ゲーの中では知名度バツグンですが、問題なのはそれらの発売と同時に、PS3などの据え置きハードでも「アサシン クリードIII」と、「コール オブ デューティ ブラックオプスII(日本語吹き替え版)」という同シリーズの別作品が発売されることです。

ユーザーの時間もお金も有限ですから、同じシリーズのゲームが同時に発売されてしまっては、どうしても分散することが予想されます。コール オブ デューティー シリーズに関して言えば、据え置きハードの方は字幕版が約1ヶ月前に先行して発売されるのでまだ影響は少ないかもしれませんが、それでもやはり発売が近過ぎるでしょう。結果、洋ゲー市場を形成しつつあるPS3が最も手強いライバルとして、PSVitaの前に立ちふさがることになります。

PSPと被る中高生層向け施策

PSVitaとPSPの図

PSPからPSVitaにうまくバトンを渡したいところなんですが、それがなかなかうまくいきません

一方で、日本メーカーのゲームはどうでしょうか。2012年内の比較的大きな弾としては、2012年10月18日に発売されたダンボール戦機Wがあります。こちらは低年齢層に訴求できるタイトルで、発売日近辺だけでなくクリスマス時期の需要も見込めます。また、年末商戦の話からは少し離れますが、2013年にはゴッドイーター2の発売も発表されています。上記の洋ゲー施策と違って、こちらはPSPの既存ユーザーをどう取り込んでいくか、ということに関わって行く際に注目のタイトルとなります。しかしここにも問題がありまして、このどちらもPSPとのマルチタイトルなのです。つまり、PSPとPSVitaの両方で同じゲームが発売されているのです。

上記のような中高生、あるいはそれ以下の層に訴求するタイトルとなると、本体の普及台数はもちろん、本体価格もポイントになります。まず現状ではPSPを持っているというお子さんの方が圧倒的に多いでしょう。じゃあ、さらにPSVitaを購入してもらおうと考えると、本体価格についてはPSPは2012年9月に値下げをしていまして、1万3800円、PSVitaのWi-Fiモデルが2万4980円ですから、その差1万円以上ということになります。この場合、ゲームが欲しい本人だけでなく、家計を預かるお母さんをどう説得するかが問題で、同じゲームができるのに1万円以上の価格差があるというのは如何ともし難いものがあるわけです。

ソフトを出すメーカーからすると、PSPとマルチ展開することで普及が進んでいないPSVitaへタイトルを提供するリスクを回避しようという動きがあるわけですが、結果、PSPがPSVitaの普及を妨げるという状況が起きてしまいます。

PSPやPS3に板挟みのPSVita。しかし、この状況は悪いことばかりでもないんです。