災害に強いマンション

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まず考えられる災害を洗い出してみる。暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火といった自然災害。そしてこれらが直接的な原因となって起きる、土砂災害や斜面地崩壊、液状化現象といった危険性も考慮しなければならない。人的災害の筆頭は火災か。木造家屋が密集する地域は、都の課題にも挙がっている。原子力災害も東日本大震災以来、現実的なものとなった。

このなかで、関係省庁や地方行政が公開しているハザード情報で対処できるものがいくつ存在するのか。そのなかから、住まい選びに関連する事柄を拾い上げてみよう。

東京都の都心部(23区)を対象としたマンション選びでは、豪雪や高潮、津波(今年4月に公表された東京都の津波想定において、現在の防潮堤を超える高さの津波は大地震の際にもこないと検証結果が出たため、要素から)は排除する。また、噴火(富士山)と原子力災害に関しても、23区におけるピンポイントの立地選定には差異が見分けにくいと考え、今回の対象からは除く。

洪水対策

豪雨がもたらす洪水。これは、各区より洪水ハザード(浸水予想区域図)情報が公開されている。大雨と河川の氾濫をそれぞれ別資料として作成している区もある。さらに、近くに大きな河川がいくつか流れる地域では、河川別に氾濫ハザードを作成しているケースもある。およそ、水深が0.2~0.5m、0.5~1.0m、1.0~2.0m、2m以上の4分類で地図上に色分けされ、大きな被害が見込まれる場所においては、5.0m以上をさらに加えて、5分類の水深を表記している区もある。

浸水の色分けを眺めていると、標高が高ければ良い、というわけではないことがよくわかる。水深0.2m~0.5m程度であれば、たとえ高台でも地形によっては大雨による浸水が十分予想される。細かな地形の起伏が影響するようだ。
洪水ハザード(東京都)

液状化対策

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次に、地震による液状化予測図がある。東日本大震災以前からあった、東京都建設局の下部組織である「土木技術支援・人材育成センター」が昭和60年代と平成初期のデータを統合して作成した「液状化予測図」である。しかし、大震災後、都が防災計画の見直しの一環で新たに作成した「液状化危険度の分布」が発表されたのだが、これはあまりに縮尺が大きすぎて、位置を特定できるものではない。

気になるのは、新たな「液状化危険度の分布」が、従前の「液状化予測図」よりも被害想定が広範囲にわたっている点だ。一般的に液状化が発生しないとされる西側エリアでも危険地域が数多く分布している。さらに「液状化危険度の分布」は、東京湾北部地震、多摩直下地震、元禄型関東地震、立川断層帯地震の4つの地震に基づいて別々に作成されていて、それぞれが異なる色分け(危険度)がなされている。早期の詳細マップ公表を願うばかりである。
液状化予測マップ(東京都)
液状化危険度の分布(東京都)