「中途半端なウォークインクローゼット」に要注意
クローゼットの実際は…
具体的な条件に、ウォークインクローゼットがほしいという声が多い。たぶん、たくさん仕舞えると思っているからだろう。しかし、限られたスペースの中で効率良く容量を増やしたいなら、壁一面収納がベターである。解決の糸口が不明瞭な好例といえよう。
「念願のウォークインクローゼット」の現状はというと。衣類が入りきらないばかりか、ゴルフバッグや靴箱などが高く積まれて、奥の服が取れない、何がどこにあるのかすらわからない状態に…。存在の忘れ去られた洋服は無いも同然。
暮らしを豊かにするために手に入れたモノがこれでは、無駄な消費をしただけともいえる。「中途半端なウォークインクローゼットは、ライフスタイルに悪影響を及ぼす」。一見、大げさなようにも聞こえるが、現実を直視するとあながち間違ってはいないことがわかるだろう。
高級マンションのウォークインクローゼット
参考例を挙げてみよう。下の画像は「有栖川パークハウス」のモデルルーム写真である。ハンガーパイプ以外に、シャツを置くスライド式の棚板やネクタイやベルトの置ける引き出しが男性用のコーナー(鏡に写り込んだ左側)にまとまり、女性用にはジュエリーを仕舞うケースの上部がコーディネートを試せるテーブルになっている。服や家具が傷まないよう表面の仕上げは革である(肌色の部分)。ポイントは姿見。通常、鏡は玄関に用意され、外出前に格好を確認するわけだが、それは靴との相性を見るためであって、足元から上は仕上がってなければならない。でないと、また寝室まで戻ってやり直す羽目になるから。
服やジュエリー、バッグに帽子といったコーディネートは、ウォークインクローゼットのなかで完結したい。つまり、ウォークインクローゼットは、収納スペースというよりも「今日の組み合わせ」を考えるための空間。したがって、持っているアイテムが一目でわかることがとても重要なのである。