ビタミンDは不足しやすい栄養になった
日焼け対策をしている人が、魚をしっかり食べていない場合、ずばり不足する栄養素がビタミンDです。以前は、必要なビタミンDは日光から合成できると考えられていましたが、日焼け止めを使ったり、日焼け防止目的で皮膚を服でカバーする人が増えたため、皮膚での十分な合成は期待できません。また、年齢とともに皮膚での合成量が低下することが知られています。とくに70歳以上と若い人を比べると75%も減るという報告もあります。ビタミンDの役割は骨の健康だけではなかった
ビタミンDが多い食材
必要なビタミンDは増えている
厚生労働省によって発表された「日本人の食事摂取基準 2010」の算定理由によると、現在のところ骨の健康を重視したビタミンDの必要量が設定されていて、免疫系の病気や生活習慣病は考慮されていないようです。諸外国では70歳以上の高齢者では更に多くのビタミンDが設定されていますが、日本ではこの年齢層でのデータが十分に存在しないという理由で対策がとられていません。アメリカ、カナダ、オーストラリアなどでは、ビタミンDと免疫・慢性病などとの関連性の研究結果を受け、ビタミンDの目安量を以前の2~3倍に引き上げています。しかし日本ではまだ対策がとられておらず、今のところ、男女とも成人の場合は1日あたり5.5μg(220IU)で上限量は50μg(2000IU)です。アメリカでは成人の目安量は15μg(600IU)で、70歳以上では20μg(800IU)、上限量は100μg(4000IU)です。正常だとされる血中ビタミンDレベルも日本と諸外国には大きな差があります。
今私たちにできること
日本で、これからビタミンDの必要量が厚生労働省によって増加されるか分かりませんが、ビタミンDに骨の健康維持以外の健康利益があることは否めません。諸外国のビタミンDの目安量は、よっぽどビタミンDの多い食事を心がけない限り、サプリメントを摂取しなければ到達できない量になっています。サプリメントを摂取するか、日焼け止めの使用をストップするかはさておいて、ビタミンDの多い食材を見直す必要があると思います。ビタミンDは、日本人がよく食べてきた、鮭、まぐろ、さんま、ます、ヒラメ、きくらげ、いわし、しらす干しなどに豊富に含まれています。キノコ類はビタミンDが多いと思われがちですが(キクラゲを除く)、実際に1回に食べる分量を考えてると残念ながら微量にすぎません。下記のビタミンD含有量を参考にして、摂取量のアップを試みましょう。
魚・卵は100g当たりのビタミンD(μg)
ニジマス(別名:レインボートラウト)(生)10~12
樺太ます(別名:ピンクサーモン、オホーツクサーモン)(生)22
紅鮭(別名:ソッカイ)(生)33
白鮭(別名:秋鮭、時鮭)(生)32
銀鮭(生)15
クロカジキ(生)38
マカジキ(生)12
メカジキ(生)11
クロマグロ(赤身、生)5
メジマグロ(クロマグロの幼魚)(生)12
びんなが(別名:ビンチョウマグロ) (生)7
ツナ缶 2~4
さんま(生)19
サンマ缶詰 12~13
まあじ(生)2
いわし(生)9~11
さば(生)11
さば(水煮缶)10~11
さば(味付け缶)5
ヒラメ(天然、生)3
ヒラメ(養殖、生)18
卵 1.8
鶉の卵 2.5
キノコ・しらす干しは20g当たりのビタミンD(μg)
きくらげ(ゆで)8
白きくらげ(ゆで)18
しいたけ(生、干し椎茸ゆで)0.4
しめじ 0.3~0.4
しらす干し 9~12
1日の目安1000IUを1粒で摂取できるものも。
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