発想を変えることで見えてくる新しい次元がある
そもそもキャリアの道は、新卒入社で決まるわけではありません。「大企業」に入らなくても、自分なりにスキルアップをしながら理想的な仕事に就いていく人もいます。臨時職員やアルバイトとして働きながら資格を取得し、数年後に正社員として就職した人もいます。企業の規模や年商にこだわらず、その会社独自の発想や展望に共感して就職を決める人もいます。また、就職してから本当にやりたいことに気づき、キャリアチェンジをしていく人もいます。
仕事に就く道は一つではなく、また世間で言われる評価が、必ずしも自分に適したものとは限らないのです。「オール・オア・ナッシング思考」に傾いている自分自身の認知のゆがみに気づき、「今の自分の考え方は、本当に正しいのだろうか?」と問い直してみましょう。
3. 自分を追い込まず、いったん休みを挟んでみる
休みなくたくさんの会社に応募し続けていると、心がすり減り、精神的な疲労を抱えてしまいます。その状態では、2.で紹介した「認知のゆがみ」も強固になりますし、企業研究も雑になります。元気を出せず、表情も暗くなり、充実した就活ができなくなるでしょう。
そうした状態なら、いっそのこと一度就活から離れてゆっくり休み、頭の中をからっぽにしてみてはどうでしょう? 気分転換に、どこかに出かけてみてもいいと思います。そうして少し元気が出てきたら、1.で紹介したキャリアカウンセラーや心理カウンセラーと一緒に、自分らしい働き方、就職先について、もう一度考えていくといいでしょう。
ロングスパンで自分のキャリアを築いていく
就活は長距離走であり、キャリア形成もまた長距離走なのです。たとえ、理想からかけ離れた就職先しか見つからなかったとしても、そこからスタートできる「自分らしいキャリア」があります。目指すべきは、ロングスパンで職業人としての自分を育てていくという発想。会社は自分自身ではなく、キャリアを磨き、生かすための「器」にすぎません。このことに気づけば、就職する会社にこだわりすぎる必要もなくなります。自分を育てるのは、会社ではなく自分自身です。長距離走で形成していくキャリアを念頭に置きながら、就活の目標をもう一度考え直してみましょう。きっと、就活への思いも変わってくると思います。