マンション購入術/人気テーマのマンション購入

築30年超の中古マンションが今、売れている3つの理由(2ページ目)

国策として「中古住宅重視」を掲げたとはいえ、いまだ新築住宅が選好されやすい日本の住宅市場。しかし、首都圏のマンションを築年数別に見てみると、築30年超の中古マンションだけが過去10年で4倍ものシェアを拡大させています。一体なぜなのでしょうか、その理由をガイドの視点で独自分析してみました。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド


圧倒的な価格の値ごろ感 「広さ」よりも「価格」の優位性が最重要視 

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価格の「値ごろ感」が築30年超マンションの人気を下支えする

国土交通省の推計によると、日本のマンションストック数は2011年末時点で約579万戸に達し、およそ1400万人が分譲マンションで生活しています。そして、このうちの約100万戸が築30年超の中古マンションとされており、前ページで説明したように、この100万戸に熱い視線が注がれています。

さて、高経年マンション人気の理由として、1番目は「圧倒的な価格の値ごろ感」だと私ガイドは分析しています。下表に築年数別のマンション価格をまとめてみましたが、築年数と価格の相関関係を見れば一目瞭然。高経年化するほど、マンション価格は下落しています。

築31年以上のマンション成約価格は、2011年の年平均で1324万円でした。他の築年数と比較すると、築5年以下(3908万円)の約3分の1、築11年~15年(2973万円)のおよそ2分の1の価格水準です。誰もが手の届く無理のない価格であることが人気の理由といえます。

築年数別の分譲マンション価格

 

また、2番目の理由として、1世帯当たりの居住人数の変化とも無関係ではありません。2012年版の「子ども・子育て白書」によると、50歳までに一度も結婚したことのない「生涯未婚率」は男性が20.14%、女性は10.61%(どちらも2010年時点)となりました。およそ男性の5人に1人、女性の約10人に1人が一生涯を独身で過ごすのです。

当然、ひとり暮らし世帯が増えれば、専有面積が70平方メートルを超えるようなファミリー物件は必要性が薄れます。要は、必ずしも広さが重要視されなくなってくるわけです。築31年以上の中古マンションは専有面積が平均およそ56平方メートルしかありませんが、単身生活者にとっては不自由な広さではないでしょう。こうした点も人気の理由と考えられます。

「リモデリング」や「リノベーション」により、理想の間取りを手に入れられる 

さらに、3番目の理由として、「リモデリング」や「リノベーション」が市民権を得たことも重要な要因と考えられます。リモデリングとは、機能劣化により陳腐化したマンション内の設備や内装をただ単に改修するという“原状回復”を主目的としたリフォームではなく、日常生活をより快適にするための“生活向上”までを含意したリフォームです。たとえば、料理好きな人であればキッチン回りにこだわってみたり、あるいは自分の趣味のための専用スペースを新設してみたりと、生活の質を高めることを主眼とした住宅改修となります。

往々にして築30年を超えるような中古マンションであれば、何らかのリフォームはするはずです。その際、自身の理想とする間取りを実現できれば、日常生活をより豊かにすることができます。全面リフォームしてもマンションの購入価格が安い分、予算オーバーの心配は和らぎます。このように、住宅選びの優先順位を考えた場合、各人のライフスタイルに合致させられることが高経年マンションの人気を下支えしています。

  • 住宅価格が手ごろなため、無理をしない“等身大”の予算設定が可能となる
  • 住宅設備や内装に自分の“こだわり”を反映させることができ、住生活を向上させられる

不安材料として、古いことによる耐震性などの問題はありますが、こうしたマイナス要因を加味してもプラス要因が十分に勝ります。中古マンション市場も“ageless(エイジレス)時代”の到来と言えるでしょう。「経年劣化」ではなく「経年優化」な中古マンションが高評価される日は、もう、そこまで来ています。


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