【フラット35】の金利優遇
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して融資をする【フラット35】のうち、省エネ性や耐震性などに優れた住宅を対象とした【フラット35】Sでは金利の優遇措置がとられています。当初5年間または10年間の金利が年0.3%優遇されますが、一定の予算枠があるため前倒しして受付が締め切られる場合もあります。
また、一定の性能向上改修工事をした既存住宅を購入する場合の【フラット35】リノベ、一定の若年子育て世帯の住宅取得を対象とした【フラット35】子育て支援型でも金利優遇措置が講じられています。
認定長期優良住宅制度
2009年6月に始まった認定長期優良住宅制度ですが、マンションでの利用は伸び悩んでいるものの、一戸建て住宅では累計約76万戸(2016年12月末現在)に達するなど、認定住宅の増加が続いています。認定長期優良住宅を購入または建築した際には、住宅ローン控除枠の拡充(10年間の最大控除額を100万円上乗せ)、所得税額の特別控除(投資型:最大65万円)、登録免許税の軽減措置、不動産取得税の課税標準額の特例、固定資産税の新築住宅特例(軽減期間の延長)といった税制上の優遇措置が講じられています。
住宅ローン控除枠の拡充および所得税額の特別控除は2021年12月31日まで、登録免許税、不動産取得税、固定資産税の特例は2018年3月31日までとなっています。
認定低炭素住宅制度
2012年12月に始まった認定低炭素住宅制度では、一定の省エネ性能を有する新築住宅などを購入または建築した際に、住宅ローン控除枠の拡充(10年間の最大控除額を100万円上乗せ)および登録免許税の軽減措置が受けられます。住宅ローン控除枠の拡充は2021年12月31日まで、登録免許税の軽減措置は2018年3月31日までとなっています。
バリアフリー改修工事にかかる税制特例
一定のバリアフリー改修工事を行なった場合には、所得税の控除(投資型減税またはローン型減税のどちらか一方)および固定資産税の軽減措置が受けられます。ただし、この所得税の控除と通常の住宅ローン控除は併用することができません。所得税の控除は2021年12月31日までの工事、固定資産税の軽減は2018年3月31日までの工事が対象となっています。
また、2021年12月31日までに直系尊属から資金の贈与を受けて、バリアフリー性を満たすための増改築工事を行なった場合には、贈与税の非課税枠が500万円分上乗せされます。
省エネ改修工事にかかる税制特例
一定の省エネ改修工事を行なった場合には、所得税の控除(投資型減税またはローン型減税のどちらか一方)および固定資産税の軽減措置が受けられます。ただし、この所得税の控除と通常の住宅ローン控除は併用することができません。バリアフリー改修工事と同様に、所得税の控除は2021年12月31日までの工事、固定資産税の軽減は2018年3月31日までの工事が対象となっています。
また、2021年12月31日までに直系尊属から資金の贈与を受けて、省エネ性を満たすための増改築工事を行なった場合には、贈与税の非課税枠が500万円分上乗せされます。
耐震改修にかかる税制特例
一定の耐震改修工事を行なった場合には、所得税の控除(投資型減税)および固定資産税の軽減措置が受けられます。所得税の控除は2021年12月31日までの工事、固定資産税の軽減は2018年3月31日までの工事が対象となっています。耐震改修における所得税の控除(投資型減税)は、通常の住宅ローン控除と併用することもできます。また、2021年12月31日までに直系尊属から資金の贈与を受けて、耐震性を満たすための増改築工事を行なった場合には、贈与税の非課税枠が500万円分上乗せされます。
住宅の耐震化に関する補助、助成制度
発生が懸念される首都直下地震、南海トラフ地震だけでなく、次の大地震がいつどこで起きるか分からず、耐震性能の低い住宅では耐震改修工事などの実施が急務です。耐震改修にかかる税制特例だけではなく、国による助成事業(市区町村に対し交付金にて助成)のほか、大半の市区町村では耐震診断や耐震改修工事に対する補助制度が整備されています。
耐震改修工事や建替えに対する補助の要件や補助率、限度額などは市区町村により異なるため、それぞれお住まいの地域の役所で内容を確認してください。
また、耐震改修工事などに対して、住宅金融支援機構による融資制度(個人向けおよびマンション管理組合向け)も用意されています。
住宅リフォームの支援制度
都道府県や市区町村により独自のリフォーム支援制度、改修工事の助成制度などが設けられている場合もあります。それぞれの内容は国土交通省「住まいのあんしん総合支援サイト」内にある「地方公共団体の支援制度」のページで調べることができます。ただし、掲載された内容が改定または中止されている場合もありますので、利用を検討する際にはあらかじめそれぞれの市区町村などでご確認ください。
三世代同居リフォームに対する特例措置
2016年度の税制改正により、一定の「三世代同居改修工事」をした場合に「ローン型減税」または「投資型減税」のいずれかを受けることのできる特例措置が設けられました。適用期間は2016年4月1日から2021年12月31日までとなるほか、キッチン、浴室、トイレ、玄関のうち少なくとも1つを増設したうえで、改修後に「いずれか2つ以上が複数箇所」となる工事が対象です。実際に三世代が同居しているかどうかは問われません。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
既存住宅において、劣化対策や耐震性、省エネルギー対策など住宅の性能を一定基準まで引き上げるリフォーム、または三世代同居改修工事を実施した場合、国から補助金が交付されます。補助金の上限額は1戸あたり100万円(一定の要件を満たす場合は200万円)ですが、三世代同居改修工事を同時に実施した場合の上限額は1戸あたり150万円(一定の要件を満たす場合は250万円、高度省エネルギー型は300万円)に増額されます。
なお、あらかじめ国から事業採択を受けた工務店、リフォーム業者などに対して、要件に合致するリフォーム工事を発注しなければなりません。
長期優良住宅化リフォーム減税
上記の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は工務店やリフォーム業者などに対して補助金が交付され、それが消費者へ還元される仕組みです。それに対して、2017年度の税制改正により個人を対象とした長期優良住宅化リフォーム減税がスタートしました。一定の耐久性向上改修工事を実施したうえで長期優良住宅として認定を受けた場合には、所得税の税額控除および固定資産税の減額措置を受けることができます。詳しくは ≪2017年度 住宅税制改正総まとめ≫ をご参照ください。
対象期間は、所得税の控除が2017年4月1日から2021年12月31日まで、固定資産税の減額措置が2018年3月31日までとなります。
その他、国による補助制度など
これまでに説明した制度以外にも、2017年度は「住宅ストック維持・向上促進事業」「地域型住宅グリーン化事業」「民生用燃料電池(エネファーム)導入支援補助金」「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」などが実施されています。とくに一戸建て住宅の建築、改修工事などを検討する際には、該当する制度がないか、工事業者にしっかりと確認するようにしましょう。
自治体による住宅関連助成制度など
これまでに挙げた耐震改修、リフォーム支援制度などのほかにも、都道府県や市区町村によってさまざまな住宅購入支援制度が設けられている場合があります。高齢者などのバリアフリー対策、子育て支援、環境対策、省エネルギー対策、防災対策、防犯対策、定住促進、高齢者の住み替え支援、利子補給、住環境整備、景観整備、二地域居住促進などがあり、その目的や内容も多岐にわたっています。
自治体ごとの住宅購入支援などについては、不動産ジャパンによる「住宅関連助成など」のページで調べることができます。また、同じく不動産ジャパンの「子育て支援サービスなど」のページでも、それぞれの自治体による助成制度の内容を調べることができます。
なお、掲載された内容が改定または中止されている場合もありますので、利用を検討する際にはあらかじめそれぞれの市区町村などでご確認ください。
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