精算と清算

【せいさん】

物件の引き渡し時に売主と買主との間において、固定資産税・都市計画税の年額、あるいはマンションであれば管理費・修繕積立金の月額などを日割りで清算することが慣例となっている。

この場合、厳密にいえば日割り日数にもとづいて細かく計算することが「精算」であり、その結果にもとづいて金銭のやり取りをすることが「清算」である。

「日割り精算」とも「日割り清算」とも表記されるが、その意味は「日割りで精算した金額にもとづいて、売主・買主間で清算する」ということになる。これを「日割りで細かく計算した金額にもとづいて、売主・買主間で金銭のやり取りをする」と書き換えれば分かりやすいだろう。

売買取引の決済時には不動産業者によって「精算書」などが作成される。日割り金額の計算式などを記載した「計算書」の意味合いであれば「精算書」が正しく、売主・買主間で金銭の授受をしたことの確認的意味合いの書面であれば「清算書」が正しい。

ところが、実際にはその両方の内容を兼ねた書面であることが多く、その場合にはどちらでも正しいことになる。

不動産業者のなかには、両方の意味の違いを理解して使い分けている人、どちらか一方の用語表記に拘っている人、行き当たりばったりで先に変換された用語をそのまま使っている人など、さまざまな人がいるだろうが、これを間違って使ったとしても実害はない。

どちらを使ったとしても、それによって生じる行為は同じであり、深く考えてもあまり意味はないだろう。

なお、土地区画整理事業などで換地に不均衡が生じる場合にやり取りされる金銭は「清算金」であり、独立した用語として定着している。

また、交通機関で乗越し運賃などを清算するところは一般的に「精算所」であるが、過不足金額を「清算」する前に「精算」という計算行為が前提となるためだろう。

さらに、男女関係は「清算」できても「精算」することはできない。あえて「精算」しようとすればドロドロの世界に嵌り込むことになる。

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