起業家に人気のバーチャルオフィス。低価格の賃料で都心の一等地に本店所在地を持つことができるなど多くのメリットがあります。ただ、その一方、事前に知っておくべき多くの注意点もあります。会社設立後に、こんなはずではなかったと後悔をしないためにも、これらの注意点を事前に知った上で、上手に活用したいものです。また、乱立するバーチャルオフィスの中からどうやって選べばよいのか、バーチャルオフィス以外の選択肢もないのかなど、起業コンサルタント(R)、行政書士、社労士、税理士であるガイドが多くの起業支援経験の中から得たプロとしてのノウハウを公開します。

バーチャルオフィス、レンタルオフィスとは

上手に活用すれば起業家にとってメリットも多いバーチャルオフィス

上手に活用すれば起業家にとってメリットも多いバーチャルオフィス

webサイトの運営、セミナー講師、コンサルタントなど、起業段階では必ずしも店舗やオフィスを構える必要がない業種も存在します。そうした業種では、コストを抑えるためにも起業当初はバーチャルオフィスなどを利用することも選択肢のひとつとしてあります。提供する会社によって多少の違いはありますが、この種のオフィスには大きく分けて次の3つのサービスパターンがあります。

1.バーチャルオフィスタイプ
ワークスペースや専用個室などがなく、本店所在地の住所だけを借りるタイプ。別途、オプションで面談スペースを利用できたり、郵便物の受け取り・転送や電話秘書業務を委託したりすることが可能な場合がほとんど。初期の賃料を節約するためにも執務自体は自宅で行いたい、都心の一等地などに本店所在地を置きたい場合などのニーズがあります。賃料は数千円から数万円くらいが相場です。

2.共有スペースタイプ
本店所在地の住所利用のほか、共同使用の机、イス、通信環境などが利用できるタイプ。このタイプも、オプションで面談スペースの利用や郵便物の受け取り・転送や電話秘書業務を委託することが可能です。賃料は3万円から5万円くらいが相場です。

3.レンタルオフィスタイプ
本店所在地の住所利用と共に、パーテーションで仕切られた専用机と椅子または専用個室を与えられるタイプ。個室といっても一人用のデスクがひとつ入るかどうかの小さいものから、数十平米の小さなワークスペースが確保されているものまで幅があります。また、賃料の安いところでは、完全に仕切られた空間ではなく、机と机の間にパーテーションがあるだけで背中側があいているものもあります。7、8万円から数十万円くらいが相場です。

バーチャルオフィスの利用のメリット

起業・会社設立時にバーチャルオフィスを利用することには、以下のようなメリットがあります。

1.自宅住所での登記を避けることができる

起業当初のコストを下げるために、自宅住所を本店所在地にして業務も自宅で行うことを検討することがあります。ただ、自宅が分譲マンション、賃貸マンションなどの場合は、注意が必要です。分譲マンションなどの場合は管理規約で、賃貸マンションなどの場合は賃貸借契約書で、住所の事業利用(会社への転貸)や郵便受けへの会社名の表示が禁止されていることがあるためです。自宅での起業を検討されている場合は、まず、管理組合や不動産屋さんにこの点が問題ないかを確認してみることをオススメします。その結果、自宅住所を本店所在地とすることが無理な場合、バーチャルオフィスを本店所在地として利用とすることで問題を回避できる可能性があります。

また、バーチャルオフィスを利用することで、自宅の住所という重要なプライバシーに関わる情報を世間に公開することも避けることができます。

2.都心の一等地やブランドビルなどに本店所在地を置くことができる
自宅や通常の賃貸オフィスの場合、最初から都心の一等地に本店所在地を置くことはまず不可能。バーチャルオフィスを利用することで、起業当初から都心の一等地やブランドビルに本店所在地を置くことが可能となります。その結果、信用が増して電話問い合わせが増えるなどの効果が期待できます。

3.コストを下げることが可能になる
起業当初にオフィスとして通常の賃貸物件を借りる場合、敷金、礼金、前家賃などを含めて、最低でも50万ほどの初期費用を覚悟する必要があります。この点、バーチャルオフィスを利用すれば数万円ほどの初期費用で済み、コストを抑えながら起業すること可能となります。

4.電話秘書サービスなどを利用できる
一人で起業する場合、転送電話を利用したとしても移動中や商談中の問い合わせ電話に出ることができず、商機を逃すこともあります。バーチャルオフィスの電話秘書サービスを利用すれば、営業時間内であれば電話を受けて携帯メールなどに誰から電話があったかを知らせてもらうことができます。すぐに折り返しで電話をすることでチャンスを逃さないことが可能となります。

5.郵便物、宅配便などの受取り、転送などを委託できる
自宅などで登記した場合、会社あての郵便物などの受け取りができないことも考えられます。バーチャルオフィスを利用することで会社あての郵便物などを一旦受け取り、自宅に転送してもらうことが可能となります。

6.面談スペースを利用できる
自宅を本店所在地にした場合、プライベート空間でもある自宅での打ち合わせは抵抗があるもの。結果的に近くの喫茶店などで打ち合わせをすることになりますが、体裁や信用、機密上のことも含めて、営業上不利な要素になりかねません。この点、バーチャルオフィスの面談スペースを利用することでこうした不利な要素を払拭することが可能となります。また、大切な取引先との勝負面談にだけ、面談スペースを利用するという活用法もあります。

7.拠点を持つことができる

多店舗展開をしているバーチャルオフィス会社の場合、日本各地、世界各地のオフィスを利用できるサービスを用意していることがあります。各地への出張や営業周りが多いビジネスをする起業家の場合、こうした拠点を利用することで出張先などでのビジネスをスムーズにすることも可能となります。