ストレス/人間関係・人付き合いのストレス

相手を怒らせない伝え方と怒りの鎮め方のコツ

会話の中で、無意識のうちに相手を怒らせる伝え方をしてしまうことはありませんか? 相手の怒りを挑発しない伝え方、怒りを鎮める伝え方のヒントをお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

怒りを挑発する物言いをしていませんか? 

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相手を怒らせるのも納得させるのも、伝え方次第

前回の記事では、「自分自身の怒りを引きずらない方法」についてお伝えしました。今回は、「相手の怒りを引きずらせない方法」について考えてみたいと思います。

前回お伝えしたように、怒りは2番目に湧く感情(第二感情)です。この感情を募らせると、とても感情的になってしまいます。今はおだやかに見えていても、怒りの感情を処理できないままでいると、後々になって大きく爆発してしまうこともあり、危険です。したがって、日ごろからいたずらに相手の怒りを誘わないよう、伝え方には注意したいものです。

何気ない会話の途中で、その気はないのに相手をカチンとさせてしまうことがあります。それは多くの場合、伝え方に問題があるからなのです。その典型が「YOUメッセージ」。「○○しなさいよ」「なんで○○しないの?」というように、「あなた」を主語にした物言いです。

こういう伝え方をされると、相手は自分のこと、自分の言っていることを一方的に批評、非難されたような感じを受け、カチンときてしまうのです。

相手を怒らせたくないなら、ぜひ「わたし」を主語した「Iメッセージ」で伝えてみてください。同じ内容でも、「私は○○した方がいいと思うよ」「その訳を聞かせてほしいな」という伝え方をした方が断然ソフトに聞こえ、相手は素直に話を聞こうという気持ちになります。

カップルのケンカから「怒りの鎮め方」を考えよう 

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第一感情に注目すればケンカにはならない

カップルのケンカを例にとって考えましょう。付き合い始めた当初は1日中おしゃべりしても飽きなかったのに、いつのまにか何を話しても反発しあってしまう。そして、ある日大ゲンカをしてジ・エンド・・・・・・。こんな失恋のドタバタ劇はあちこちで見られますよね。

よくあるのが、彼女があれこれ話してくるのに、彼が話を適当に聞き、彼女が「また聞いてない!」「なんでいつも適当に受け流すの?」とYOUメッセージで攻撃してくるケース。すると彼もカチンときて、「うるさいな! 黙ってろよ」とYOUメッセージで応酬し、手がつけられないケンカに発展してしまいます。

こうした小さなイザコザを重ねると、お互いを愛せなくなり、関係が壊れてしまいます。男女間だけでなく、友だちや親子でも同じこと。こんなとき、どちらかが相手の第一感情に注目し大事にしていたら、ケンカにはならないのです。

怒っている彼女の第一感情は、「話を聞いてくれないなんてがっかり」「いつも聞き流されてさびしい」といった気持ち。彼の第一感情は、「疲れてるのにガンガン話しかけてこないで」「一方的に非難されるのは心外だ」といった気持ち。つまり、こうしたお互いの気持ちを理解しあえれば、怒りは治まります。

「話を聞いてほしいんだけど、私おしゃべりしすぎたかな?」
「ごめんね、ちょっと疲れてて。さびしい思いさせちゃって悪かったね」

どちらかがこうした物言いをしてあげれば、ケンカにならないはず。それなのに、「怒り」に対して「怒り」で応酬してしまうから、感情の処理ができなくなって、ケンカに発展してしまうのです。

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