アートな絵本は日常でも使えます
額縁にかえて絵本を飾れば、部屋の雰囲気が一変するかもしれません
インテリアは、たった1つのインテリア小物で驚くほどグレードアップすることがあります。けれども、絵画や雑貨など、気に入ったものを見つけても、結構なお値段だったり、「飽きが来ないかしら……」といった不安で、踏ん切りがつかなかったという経験はありませんか?
そんな方におすすめしたいのが、絵本を利用したインテリアです。絵本には、著名なアーティストがイラストを手掛けたものがたくさんあります。しかも、お値段もリーズナブルで、飾るだけでなく読んでも楽しめることを考えれば、日常で使える「お得なアート作品」として、利用しない手はありません。時には、お気に入りの絵本をしつらえるだけでなく、インテリアの雰囲気に合わせて表紙から選ぶ「絵本のジャケ買い」といった冒険も楽しいものです。
最近では、絵本を飾って楽しむためのアイテムも揃ってきました。ガイド記事「見せて楽しむ絵本収納・絵本棚」でご紹介した面置き収納のほか、オブジェや立体作品を飾れるシャドーボックスなども、絵本をそのまま額装できて便利です。
今回は、絵本を利用してインテリアの幅を広げられるように、シンプルモダン・フレンチスタイル・ミッドセンチュリー・ナチュラルの4つの代表的なインテリアタイプ毎に、思わず飾りたくなるようなアートな絵本をご紹介します。
シンプルモダンなインテリアに似合う絵本
白や黒を基調に、ガラスや金属などを要素として取り入れ、すっきりしたイメージを保つシンプルモダンなインテリア。そんな透明感のあるお部屋には、飾り気がなく軽快な作風の絵本を取り入れてみましょう。中でも、冴えわたるような色使いや明快な輪郭を持った絵本がおすすめです。
ご紹介する絵本は、デザイン性が高いばかりでなく、内容も味わい深いものです。シンプルなインテリアを一層引き立たせてくれると同時に、読者の心にさわやかな読後感を残してくれる作品です。
■BABY NUMBER BOOK
リサ・ラーソンは、世界でいちばん「かわいいこと」を考えているおばあさん。これは、そんな彼女が、小さな子どものために、娘のヨハンナと作った「数の絵本」です。けれども、知育絵本にもかかわらず、まるで冒険や魔法が詰まったファンタジーを読んでいるかのような「ときめき」を感じさせる不思議な作品です。表紙を飾るネコのMIKEY(マイキー)をはじめとして、次々に登場する動物たちはどれもカラフルで個性的。表紙だけでなく、どのページを開いて飾っても、お部屋のアクセントになること間違いありません。
【書籍データ】
リサ・ラーソン/ヨハンナ・ラーソン
出版社:パワーショベル
推奨年齢:4歳くらいから
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■ちいさな1
アメリカが生んだ最もアメリカらしいグラフィックデザイナーといわれるポール・ランドとその妻アン・ランドが、愛娘キャサリンのために作った作品。ポップな色彩とシンプルで遊び心があるデザインが、読者を魅了します。デザイン関係者にファンが多い絵本ですが、魅力はデザインだけではありません。数字の1の孤独と友情を描いたちょっぴり哲学的なお話は、年齢を問わずおすすめできる特別な作品の1つです。
【書籍デ-タ】
アン・ランド/ポール・ランド:作 谷川俊太郎:訳
出版社:ほるぷ出版
推奨年齢:4歳くらいから
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フレンチインテリアでまとめたお部屋にぴったりの絵本
素材の温もりと大人の可愛らしさを感じさせるフレンチインテリアには、ちょっぴりガーリーな絵本が似合います。ただし、さじ加減を間違えると子どもっぽい印象のお部屋になってしまうことも…… それを防ぐには、あまり甘くなりすぎないイラストの絵本を選ぶのがコツです。パリの洒落たアパルトマンをイメージしながら、次の絵本を選んでみました。どちらも、愛らしい子どもが主人公の楽しい絵本です。
■ロンパーちゃんとふうせん
表紙の桃色が印象的なこの絵本は、人気絵本作家・酒井駒子さんの作品です。甘さを抑えた大人のピンクが、フレンチカントリーなお部屋にぴたりとはまりそうですね。物語では、風船と遊ぶ少女の楽しさや小さな不安が優しく描かれ、絵本全体から幼い子どもの愛らしさがあふれ出てくるようです。
【書籍データ】
酒井駒子
出版社:白泉社
推奨年齢:4歳くらいから
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■イエペはぼうしがだいすき
こちらは帽子好きな少年・イエペが主人公の写真絵本です。イエペの豊かな表情と、片時も帽子を手放さないイエペを受け入れる周りの大人たちの姿勢が心に残る作品です。物語に合わせた演出はなく、実際のイエペの1日を追った写真集のような内容ですから、読んだ後は、お友だちから届いた写真を部屋に飾るような感覚で、インテリアに取り入れることができそうです。
【書籍デ-タ】
石亀泰郎 文化出版局編集部
出版社:文化出版局
推奨年齢:4歳くらいから
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ミッドセンチュリースタイルにはちょっぴりレトロな絵本がおすすめ
1940年代から1960年代にかけて主にアメリカの近代主義から生まれた新しいインテリアの潮流がミッドセンチュリースタイル。近未来的なフォルムとポップで大胆な色使い、そしてどこか温かさを残したインテリアが特徴です。そんなお部屋には、ちょっぴりレトロな雰囲気を持った絵本が良く似合います。ここでは、プラスティック素材や幾何学模様といったミッドセンチュリースタイルの必須アイテムとの相性を考えながら、それらに負けない存在感のある作品をご紹介します。
■おしゃれの絵本 中原淳一ファッションブック
『それいゆ』や『ひまわり』でお馴染みのイラストレーターで、ファッションデザイナーでもある中原淳 一の作品の中から、ファッション評論家ピーコさんが選んだスタイル画集です。直線を効果的に使った表紙デザインやB4判という大きな判型もインパクトがあり、ミッドセンチュリースタイルのお部屋にピッタリです。本文も、当時の日本女性の美しい装いが次から次へと登場し、読者のお洒落心をくすぐります。
【書籍データ】
中原淳一:著 ピーコ:選
出版社:平凡社
推奨年齢:大人向き
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■じぶんだけのいろ いろいろさがしたカメレオンのはなし
まさにミッドセンチュリーという時代にグラフィックアートの世界で名声を博したレオ・レオニの作品。多色ながら透明感のある色使いと高いデザイン性に特徴のある絵本です。自分だけの色を持っていないことに悩むカメレオンが、友だちと出会って色々に変わる自分自身を愛せるようになるお話からは、子どもたちに向けた作者の温かいまなざしが感じられます。
【書籍データ】
レオ・レオニ:作 谷川俊太郎:訳
出版社:好学社
推奨年齢:4歳くらいから
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ナチュラルテイストのお部屋には温かなイメージの絵本を
温もりのある木製素材を中心に、自然の素材を活かした穏やかなナチュラルテイストのインテリアに合わせるなら、カントリー調やシャビーシックな絵本を選んでみてはいかがでしょう。ちょっぴりクラッシックで温もりのあるテイストは、外国の昔話絵本などにたくさんありますので、お好みのものを書店で探してみるのも一興です。もちろん、日本の作品の中にもおすすめの絵本があります。今回は、日本の絵本の中から、お部屋同様に温もりを感じさせる絵本2冊をピックアップしました。どちらも、ナチュラルインテリアにしっくり馴染む、明るさを持った作品です。
■おとなりさん
もしも、早起きのにわとりと夜行性のふくろうがお隣同士になったらどうなるのでしょうか? 生活時間帯の違う彼らが、友だちになっていく様子がテンポよく語られます。高畠純さんのほのぼのとした絵が、ナチュラルカントリーなお部屋にすうっと溶け込みます。お話のラストでは、2羽がご近所づきあいを深めていくためのとびきりの方法が明かされますから、ご期待ください。
【書籍データ】
きしらまゆこ:作 高畠純:絵
出版社:BL出版
推奨年齢:4歳くらいから
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■3びきのくま イギリス民話より
colobockleとして、イラストやクラフトの分野でも活躍している、たちもとみちこさんによる『3びきのくま』です。日本でもたくさんの同名作品が絵本になっていますが、ナチュラルなお部屋に飾るインテリアとして利用するなら、この作品が1番です。絵本の中で丁寧に描かれるシャビーな調度品も必見ですよ。落ち着いた色使いですが、独特のコラージュに華やかさが感じられます。
【書籍データ】
たちもとみちこ
出版社:ブロンズ新社
推奨年齢:4歳くらいから
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