DVが繰り返されるサイクルとは? 

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DVは3つの段階を繰り返していく

配偶者などからふるわれる暴力「DV」(ドメスティック・バイオレンス)。DVは身体的な暴力ばかりでなく、性行為の強要や精神的暴力も含まれます(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。

周りが、DVを受け続けている被害者を心配して「どうしていつまでも、そんな人にくっついてるの?」「もう別れた方がいいんじゃない?」といくらアドバイスをしても、被害者がその関係を断ち切れないケースが多いものです。

アメリカのDV研究家として知られる心理学者レノア・ウォーカーは、DVが起こる関係では、3つの段階が繰り返されるサイクルがパターン化していると説きました。これは「暴力のサイクル理論」と呼ばれ、次の3つの段階を循環するとされています。

1. 緊張期
加害者の心に苛立ちや不安などの心理的緊張が高まっている状態。イライラし不満を募らせている時期。

2. 爆発期
心理的緊張がたまり、ついには殴ったり蹴ったりと、爆発的に暴力をふるってしまう時期。

3. ハネムーン期
被害者に対して暴力をふるったことの反省や謝罪をして、親密になる時期。

このように、加害者は被害者にいつもひどい態度で接しているわけでなく、反省したり、気遣う態度を見せたりするときもあります。そんな態度のギャップから、被害者は加害者の感情にほだされ、DVから逃れられなくなる、という考え方があります。

反省しても結局暴力は繰り返される 

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反省し謝ってくれるから、つい許してしまうのでは?

とはいえ、「俺が悪かった」「もう絶対こんなことはしないよ」と何度反省しても、またイライラが募ってくると、相手を傷つけてストレスを発散させてしまうのがDVのパターンです。

被害者は、加害者が真摯に反省する姿を見ると、「この人の苦しみは、私しか受け止められない・・・・・・」「いつかはこの人が変わってくれると信じている」などと同情や期待の気持ちが湧きおこり、結局は被害を長引かせてしまうのです。

暴力を認めず、自分の人権を守ろうという強い意志を持たない限り、DVの被害を断ち切ることは難しいものです。

DVを受ける妻の気持ちとは? 

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人生のリセットより現状の維持を選ぶ切実な心情

内閣府の「男女間における暴力に関する調査」(2008年)によると、夫からの暴力を受けても別れなかった妻の理由のトップに、「経済的な不安」(29%)が挙げられています。

また、暴力被害を誰にも相談しなかったという妻の理由の上位3つには、「相談するほどのことでもない」(50%)、「自分にも悪いところがある」(36%)、「自分さえがまんすればやっていける」(22%)、といった理由が挙がっています。

この結果を見ると、DVを受ける妻は、夫と別れた後の金銭面での不安が強く、また暴力被害を重大視していない傾向が強いと思われます。

この調査では、50代以上の回答が半数以上を占めていることもあり、離婚して生活の自立を建て直すことが年齢的に困難なこと、「妻は夫に従うもの」という価値観が強い世代であることも、前述の理由を上位に押し上げている背景にあると思います。

しかし、DVを受け続けることで自立への意識や自尊感情が失われ、自己否定感から暴力を受け入れていく例は多いのではないかと思われます。