高級マンション/高級マンション選び

タワーマンションの資産価値を左右するポイント(2ページ目)

タワーマンションの外観は、建物の外周にバルコニーを巡らせたパターンとガラスカーテンウォールと呼ばれるオフィスビルのような表情のものと大きく2種類に分かれる。メリットデメリットはそれぞれにあって、一概に善し悪しが決まっているわけではない。が、その暮らしぶりは相当違うものだと思ったほうがいい。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド

タワーマンションの住み心地

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実物のタワーマンションに入ってみると、たいていの人からこんな感想が聞こえてくる。大きくふた通りあって、ひとつはタワーのセールスポイントである「眺望の迫力」。もうひとつが「意外と狭い」というもの。

後者にはいくつか根拠がある。まず、内廊下を採用している物件は開口部が限られていることと、超高層ゆえの大きな柱や梁が空間を圧迫している場合があることだ。そして、決定的なのが、バルコニーのないフィックス窓のケース。これが、(あくまで人によってだが)閉塞感を覚えやすい。

タワーマンションの外観は、建物の外周にバルコニーを巡らせたパターンとガラスカーテンウォールと呼ばれるオフィスビルのような表情のものと大きく2種類に分かれる。メリットデメリットはそれぞれにあって、一概に善し悪しが決まっているわけではない。が、その暮らしぶりは相当違うものだと思ったほうがいい。

タワーマンションの資産価値

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まずバルコニー付きのほうの利点は、住宅らしい開放的な住まい方ができることだ。窓ガラスも開き、ガラスが汚れたら自分で拭くことができる。見た目の空間も、実際に使うことのできる面積も確実に広い。さらに柱を外に追い出せば、室内への圧迫感はなく家具のレイアウトに支障も出ない。デメリットは眺望がバルコニー越しになることだ。

一方、ガラスカーテンウォールの建物は、窓際に立てば宙に浮いているような感覚になる。ガラスが大きいほど大画面のパノラマビューが目の前に広がり、タワーらしい眺めの良い暮らしが堪能できる。デザインもスタイリッシュで、洗練された印象の外観になりやすい。が、たいてい窓は開かず、ゴンドラで清掃するためにそのコストが管理費にはね返る。バルコニーは小さく、室外機置き場程度の役割でしかなくなってしまう。

さて、この2つの異なる個性のタワーマンションが単なる好みで選別されるなら資産性にはそう大きな隔たりは出ないかもしれない。今の段階で優劣を予想するのは困難だろう。ただ確実にいえるのは、立地の特徴をいかしているか、そしてそれぞれの利点が設計に反映されているか。その2点は事前に確認したほうがいいだろう。大きなバルコニーが付いているにも関わらず開放感にかける、眺望重視の割には窓が小さい、そんな建物はタワー乱立の時代に埋もれていってしまうかもしれないから。


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