ジョギング・マラソン/東京マラソン徹底解説&レポート

東京マラソン8週前の走り込み、効果を上げるには(2ページ目)

東京マラソンまであと2ヶ月少々。東京マラソンをしっかり走るつもりなら、この年末年始とその後の3連休は最後の走り込み期です。本番を見据えた充実した内容のトレーニングをしてほしいのですが、それはどのようなものなのかを解説します。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

前々日に本番の前々日を想定した予行練習

まず柱となる練習の手前ですが、前々日にサブ5~サブ3のレベルによって10km~20km走をおこないます。ペースは柱となる練習のさわりとならないよう、筋肉痛を残さない、疲労はわずかに残る程度です。
この前々日の練習は、この距離を半分にすれば、本番レースの前々日の練習として行えるものです。すなわち本番レースに向けた試行の意味を持っています。
走り終わったらばよくストレッチングをし、この日とその翌日、すなわち柱となる長距離走の前日にはしっかりとカーボローディングをします。これも本番レースを想定した予行演習です。
レースの成否の最終的な要因はコンディショニングです。コンディションづくりの経験を持つことはたいへん重要なことです。細かなコンディショニングは個々人に合わせるべきものですから、細かな調整が必要であり本人の自覚に基づくことになりますから、常に自分の体調に感覚を向け、改善の方策を考察しなければなりません。

柱となる長距離走の翌日には、レベルによって5~10kmのジョグを行いますが、これは休養ジョグです。

メインの翌々日にレベルを落としてもう一度

そして翌々日にマラソンペースに近い(5%増し未満)スピードで、柱とした練習距離の60~70%の距離を走ります。すなわちサブ5なら15km前後、サブ4なら20km前後、サブ3なら25km前後となります。
この練習はちょっと辛いことになります。まだ疲れや痛みが取れきっていない状態ですから練習距離の半分も走ると、そこからは前々日に行った長距離走のラスト5kmのような感覚になるでしょう。それほど長い距離を走らずともフルマラソンの「30kmの壁」を体験できるわけです。
第1回目の走り込みは、ここまでです。その翌日も走ればすぐに「30kmの壁」の体験はできますが、疲労と筋肉痛が残りすぎます。3連休の走り込みに差し支えが生じます。

一週後に距離を短くしてビルドアップ走

ペースづくりに自信がなければトレーニングソフトの利用を。画像はアディダスmiCoach

ペースづくりに自信がなければトレーニングソフトの利用を。画像はアディダスmiCoach

柱となる長距離走を12月31日か1月1日に設定するとすれば、翌々日の練習は1月2日か3日、その疲労がかなり抜けたところで翌週の1月7~9日に3連休があります。いいタイミングです。
この3連休で強度を落とした二回目の走り込みを行います。年末年始の回はペース走でしたが、今回はビルドアップ走とします。持久力にスピードを加味していくのが狙いです。持久力も養成したいので、頑張って3日連続走りましょう。この3日間も徐々にビルドアップするつもりでペースを作りましょう。

走る距離と内容は、

サブ5 1日目15km(ジョグ→フルのレースぺース)、2日目7~8km(ジョグ)、3日目15km(ジョグ→フルのレースペース×0.9)

サブ4 1日目20km(ジョグ→フルのレースペース)、2日目10km(ジョグ)、3日目20km(ジョグ→フルのレースペース×0.95)

サブ3 1日目25km(ジョグ→フルのレースペース)、2日目10km(ジョグ)、3日目30km(ジョグ→フルのレースペース×0.95)

といったところです。
ここに示した距離やスピードは、一般的な目安とお考えください。人それぞれに条件は異なりますので、柔軟に考えていただきたいと思います。

ハードなトレーニングに備え、事前に筋トレを

このほぼ10日間に2回の山場を持ってくるトレーニングスケジュールですが、このトレーニングを存分にこなすために、残り少ないですが脚力の強化に務めていただきたいと思います。スクワット(ヒンズースクワットとレンジスクワット)とシットアップを毎日行いましょう。スクワットは休み時間でもテレビを見ながらでも簡単にできます。シットアップも寝起きに必ずやるくせを付けておきましょう。これに加えて余裕があればプッシュアップやアレイを持っての腕振りで腕振りの腕力も鍛えておきます。筋トレを怠っていると年末年始の走り込みがさらに辛いものになります。故障を予防する上でも長距離走には筋肉を鍛えておく必要があります。

この走り込み期を過ぎると、1月中旬からはスピードをつけるトレーニングとなります。
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