家事分担を「見える化」するツール

2人が「最高のチーム」になる ワーキングカップルの人生戦略(小室淑恵・駒崎弘樹共著、英治出版)

2人が「最高のチーム」になる ワーキングカップルの人生戦略(小室淑恵・駒崎弘樹共著、英治出版)

家計分担は、分担割合を金額で表すことができるので、「見える化」は比較的簡単です。けれども、家事分担は、家事を数字に表すことが難しいので、「見える化」をするためのツールといってもなかなかイメージしにくいかもしれません。そこで、家事分担を「見える化」するためのオススメのツールを紹介します。

株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役の小室淑恵さんの作成した、「家事ポイント表」です。「書き出した家事にそれぞれポイントをつけ、一回やるごとに設定されたポイントを獲得、一週間や一カ月単位などでポイント獲得数が同じようになるように分担するのです。まずは今の状況を確認してから、目標として見直した分担を設定するとよいでしょう。」(ワーキングカップルの人生戦略P.105より引用)

「家事ポイント表」:ワーキングカップルの人生戦略(小室淑恵・駒崎弘樹共著、英治出版) ※クリックすると拡大

「家事ポイント表」:ワーキングカップルの人生戦略(小室淑恵・駒崎弘樹共著、英治出版) ※クリックすると拡大

この「家事ポイント表」を用いれば、家事ポイントで家事の分担割合が明らかになるので、担当する家事の種類や頻度など、夫婦で話し合って家事分担を決めるのに役立つでしょう。

■家事ポイントを決めるのも難しい
実際に家事ポイント表を作成するにあたって、家事ごとのポイントを決めるのに、少し苦労しました。例えば、朝食の準備を例にとると、早起きの得意な夫と苦手な妻では、夫は朝食準備のポイントは低く設定し、妻は高く設定するということもあるのです。また、片付けが得意な夫は、食器の片付けや部屋の整理整頓は手際よく済ませることができるけれども、夕食の準備など料理は苦手なので、時間がかかるため、妻よりもポイントを高く設定するという場合があります。そこで、家事ポイントを決めるための「見える化」ツールを作成してみました。

「夫の妻の家事分担認識シート」:FPオフィス Life & Financial Clinic作成 ※クリックすると拡大

「夫の妻の家事分担認識シート」:FPオフィス Life & Financial Clinic作成 ※クリックすると拡大

家事項目を洗い出した後、夫と妻がそれぞれ、家事項目ごとに自分がかかる時間と負担感を5段階評価でつけます。総合ポイントとは、家事時間と負担感を掛けて算出します。夫と妻が算出した総合ポイントの平均値を、調整後のポイントとして算出します。夫婦間で家事項目ごとに家事の所要時間や負担感の認識差が出るので、実際にやってみるとおもしろいです。上の図表はガイド平野泰嗣と直子が二人で作成したものですが、例えばネットスーパーで買い物するのは、私は30分くらいだと思っていたのですが、パートナーは、一週間分の献立を考えたり、届いた物をしまったりする時間も含めると、60分はかかるよと言っていました。

実際に家事分担の項目を決めるとき、相手は苦手で時間がかかり、気持ち的にも乗り気でない家事項目でも、自分にとっては得意な項目であれば、積極的に引き受けると、相手にも喜んでもらえるので、お互いにとってうれしいですね。


家政は、家計と家事で成り立つもの

■「見える化」ツールは作成する過程に一番の意味がある
「見える化」ツールを使うと、最終的には家計の分担割合、家事の分担割合が数値できっちり出てきます。例えば、収入が同じならば家計も家事も50:50すると決めた場合、分担割合を調整するためにツールを活用することもできます。けれども、それ以上に、家計の項目や家事の項目についてお互いがどのように考えているかを作成する過程で知ることができ、夫婦で理解を深めるのに役立ちます。機械的に分担割合を求めるためのツールとしてではなく、話し合って理解を深めるためのツールとして活用していただけたら嬉しく思います。

■家政は、家計と家事で成り立つもの
家の政(まつりごと)と書いて、「家政」という言葉が使われます。「家政」とは、一家の暮らしをうまくまとめていくことをいいます。「家政」は、夫婦の共同作業であることは言うまでもありません。「家政」をさらに分解すると、お金の面を中心とした「家計」と家庭内のさまざまな作業である「家事」に分かれます。「家政」が夫婦の共同作業である以上、「家計」や「家事」も共同作業であると言えます。

家計と家事で分担割合を決める際には、お互いの立場や状況を理解した上で、お互いが納得できる割合を決めると良いでしょう。また、決めたとしても、共同作業である以上、お互いが相手の「家計」や「家事」に関わる気持ちを持つことが大切でしょう。


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