第61回 じゅんとあさこの「世界エイズデー」
僕が20時とか21時とかに家に帰ってくると、部屋はまだ真っ暗です。そこからまたパソコンに向かって仕事をしたりして、23時過ぎにダンナから「今終わった~ 腹減った~」とメールがあり、24時を回った頃に帰ってくる…という生活が続いています(土日もです)ひどい時には帰りが1時過ぎとかで、僕はもうウトウトしていて、会話もそこそこに、先に寝させてもらったり(睡魔に弱いのです)。いちおう期限付きのプロジェクトだけど納期が延びるかもしれないそうで、こんな生活が続くと、いくら体が頑丈だといっても、倒れてしまうんじゃないか…と心配です。
そんな状況のなかで、ある夜、ダンナが「ハートをつなごう、録画してるんじゃない? 見たいな」と言いました。もう遅いから寝ようよ…と思いながら、でもHDDレコーダーを立ち上げて、僕らもよく知っている長谷川さんや生島さんやaktaのみんなが登場する番組を二人で見ました。
朦朧とした頭で「どうだった?」と聞くと、「あの頃が懐かしいね。関われてよかった」という答えが返ってきました。僕らは実は、初期の頃のaktaの活動のサポートをしていました(番組で紹介された「やる?」というコンドームや「デリヘルボーイ」のネーミングは僕の発案です)。そんなに大したお手伝いもできませんでしたし、今はとてもじゃないけどお手伝いする余裕もないのですが、ああしてみんなが活躍している様子がTVで紹介され、誉め讃えられているのを見ると、うれしい気持ちになるのでした。
今までにたくさんの友達が、僕らにHIV陽性であることを打ち明けてくれました。見過ごせない病気にかかったことは悲しいけど、打ち明けてくれたことはうれしくて。大したサポートもできてないけど、たまに気にかけたり、以前と変わらず友達でいます(いっしょにご飯を食べたり、飲んで騒いで笑ったり、ハグしたり)
番組でも言っていたように、病気自体よりも、世間の差別や偏見のほうが陽性者の人を苦しめている、それはとても残念なことです。歌川さんの作品にも描かれていたように、人生って心のもちよう一つで大きく変わるものだし、いい友達がいるかどうかってことが本当に大切なんだと思います。なので、僕らは周りの陽性者の人たちともできるだけいい友達でいたいと思っています。