セクシュアルマイノリティ・同性愛/映画・ブックレビュー

歌川たいじ新作『ブレイクスルー』(2ページ目)

歌川たいじさんが、またまたスゴい本を出しました。もちろん今までのゲラゲラ笑って読めるテイストはそのままで、歌川さんもツレちゃんも登場しますが、今回の主役はお友達のペロくんという人。彼の生き様のあまりのドラマチックさに驚かされる、奇跡の「ブレイクスルー」物語です。

後藤 純一

後藤 純一

同性愛 ガイド

ゲイライター/エディター、パフォーマー、イベントオーガナイザー、パレードやHIV予防啓発などのコミュニティ活動に携わってきた人…いろんな顔(千の仮面)を持っていますが、素顔は、愛と平和に生きる、どこにでもいるような小市民です。

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本当にあったスゴいラブストーリー

ブレイクスルー

 

これまでの『じりラブ』『ツレちゃんに逢いたい』は、歌川さんとツレちゃんのおつきあいを中心としたお話でしたが、今回の主人公は、お友達のペロくんという人です。

ペロくんは「なんで僕にオトコができないの? 意味わかんない」と思ってる人で、友達にオトコができると「なんであんたみたいなブスに!」と言っちゃうようなタイプ。住んでるアパートの大家さんに男を連れ込んでるのを見られて「気色悪い」と言われて激怒し、「死ね!」と騒ぎ立てます。
ブレイクスルー

 

一方、歌川宅と同じ建物に、昔の同僚だったむぽ子さんが、ダンナさんと男の子といっしょに引っ越してきます。男の子はどうやら女装に興味があるようですが、それが予想以上に大きなトラブルのもとに…
ペロくんは、歌川さんのアドバイスで、ゲイ団体の集まりに顔を出すようになります。そこでも最初はもめ事を起こしますが、運命の人に出会い、変わっていきます。また、険悪な関係だった大家さんとも、あることをきっかけに仲直りします。そして、この大家さんがペロくんの「事実は小説より奇なり」的なドラマの鍵を握る人になるとは、誰も想像できなかったのでした…
ブレイクスルー

 


といったストーリーです。
ペロくんが体験したラブロマンスのドラマチックさは、ぜひ(タイでのロケ込みで)映画化してほしいくらいです。その展開を見届けるだけでも十分楽しめる大河ロマン作品なのですが、それだけじゃなく、いろんなお話がからみあい、クロスしたり、ふくらんだりしていきます。(裏テーマは、ゲイの親子関係です。そこが泣かせどころでもあります)

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