新しい始まり

ストゥッツキーノ

スナックと名付けられたストゥッツキーノ。手前が木津川の柿と鳥レバーのムース、奥が生ハムのサンド

現在のメニュー構成は、昼が2800円と4800円、夜が4800円と7350円となっており、今回は昼の4800円コースから御紹介していきます。

・鰆のお皿
鰆のお皿

鰆のお皿。添えられているのは木津川産の「無花果」と「小カブ」です

ストゥッツキーノに続いて登場したのは「鰆のお皿」! つまり、「前菜」よりも先に「魚料理」が来る構成なのです。これも、パスタが得意なシェフならではの考えで、魚よりもパスタでコースを盛り上げてからメイン料理に流れを持っていきたい、とのこと。

これには驚きがありましたが、確かに前半に魚料理が来ることで一気にテンションがトップギアに入る効果もありますし、これはシェフの狙い通り、巧みな演出(コース構成)だと思います。

島根産の鰆は、色気すら漂うような艶のある身質を魅せつけ、ナイフを入れるとハラリと崩れるほどに柔らか仕上げ。そして精妙にムラなく火入れされたことが伝わる豊満な身質が放つ脂は、うっとりするほど旨味に溢れ、それがスムーズに舌の上で解けていくのです。

しかも特筆したいのが、その皮目! 身質はもちろん、皮部分までもが火入れによって活かされていて、この皮だけを食べても美味テイスト。よく火入れを表現する言葉に「完璧な火入れ」という言葉を使う人がいますが、「完璧」の基準は人それぞれ違うもの。つまり、火入れに「完璧」という領域は存在しないものだと思っていましたが、こういうムラのない火入れをいただくと、さすがに「完璧」という言葉を使いたくなりますね。ですので、敢えて言います。完璧と。ブラボー!

・朝摘み野菜サラダ
朝摘み野菜サラダ

朝摘み野菜サラダ

内容は滋賀県の農家さんから朝一で届く新鮮野菜を使った一品で、「からし菜&赤からし菜」「山葵菜」「ロメインレタスの新芽」「水菜&赤水菜」「赤軸ホウレンソウ」「マスタードリーフ」等々、初冬の時期にも関わらず計10種類もの野菜が盛り込まれています。

それぞれの野菜の質と鮮度の高さも抜群ですが、口の中で弾けるように拡がる香味のアクセントが印象的な構成で、特に「からし菜&赤からし菜」と「山葵菜」がインパクト大。ドレッシングとなるパルミジャーノチーズの温かいソースも、ドロリとした濃厚さで野菜とよく絡まりやすくていい感じです。

また、「一年後には地元の有機野菜を使っていきたい」とシェフも語られていましたので、皿の上が木津川のテロワールで満たされる、その日が来るのが楽しみですね。

・トロフィエ
トロフィエ

トロフィエ

シェフはフィレンツェの三ツ星「エノテカ・ピンキオーリ」でパスタ部門を長く担当されていたこともあり、後述するもう一皿のパスタも含めて、さすがの完成度。

例えば、このトロフィエ(ショートパスタの名称)は、ムチムチした柔らかい食感にルッコラの苦味を纏わせてあるだけではなく、そこにさらに2種類の万願寺唐辛子(これも木津(鹿背山)産!)の苦味をも加味した、ビター感溢れるオトナテイスト。

苦味と言っても野菜独特の爽快感のある苦味なので、むしろ食欲を激しく刺激してくれますし、ホッキ貝(北海道産)の魚介による旨味エキスとコリコリの食感の妙が何とも癖になる味わいです。

・タリアテッレ
タリアテッレ

タリアテッレ

2皿目のパスタは「タリアテッレ、小松菜とネギのラグー」。ラグーというと赤ワインの重たいイメージがありますが、シェフの作られるラグーは白ワインを使ったラヴェンナ風。

塩も控えめであっさりとした上品テイストなので、野菜の持ち味がストレートに伝わってくる仕上がりです。シャキシャキした小松菜の食感とグリルしたネギの香ばしさが絶妙に絡んだ逸品でした。

次のページからは、コース料理後半を御紹介します。