和菓子/羊羹・最中・甘納豆

「空也」の「空也もなか」はなぜ売り切れる?(2ページ目)

連日予約分で売り切れてしまう「空也もなか」。味と価格を守るため、手を広げず無駄を出さずの空也スタイルを貫きます。

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

季節の「生菓子」は全22種類 

11月の生菓子

11月上旬の生菓子。右上から時計回りに「空也双紙」200円、「栗茶巾」300円、「胡麻求肥」230円、「栗羊羹」300円、「浮島」250円、「蕎麦饅頭」230円

名物の「空也もなか」のほかに、年間を通して全22種類の生菓子を作っている空也。粒餡だけでなく、手間暇のかかるこし餡も手作りしているため、最中同様、量産はできません。予約してからの来店が安心です。
工場

空也のお菓子は、清潔感あふれる工場から生まれる

どんなお菓子にも自然の素材を使いたいからと、色素も天然の色を利用します。たとえば薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)の仕上げにちょんと差す紅は紅花を使い、浮島の茶の部分はメープルシュガー。美味しさと身体への優しさを考えたお菓子作りにこだわります。
 

夏目漱石の愛した「空也餅」 

空也餅

「空也餅」5個入自家用箱1,150円

11月と1月下旬~2月上旬にかけてのみ作られる「空也餅」。夏目漱石の『吾輩は猫である』にも登場する、池の端の時代からの名物です。

粒々の残る餅生地で、よく晒したつぶし餡を包んだもの。さっぱりとした食べ心地で、つい2つ目にも手が出ます。
空也餅

「空也餅」

空也餅を眺めていて気になったのは、お二人のご長男、彦之さんが、空也の新ブランドとしてエキュート品川などに展開する「空いろ」。「空也餅」をアレンジしたものとして、「くも」という生菓子も販売しています。

4代目のご主人の方針とは異なるようにも見える「空いろ」。尋ねてみると、「空いろ」は「空也」ではない。私は今でも反対です。と厳しいお言葉。そうは言いつつも、言葉の端々から、ご子息が懸命に頑張る姿を評価し、納得のいく店作りをしてほしいと願っている親心が窺えました。

しかしご主人にとって、「空也」はここだけ。これから先も今のスタイルを守り続けたい、とのこと。空也のファンの1人として、この味が守られていくことを願いつつ、「空いろ」のこれからも楽しみたいと思います。

<店舗情報>
■空也
所在地:東京都中央区銀座6-7-19
TEL:03-3571-3304
営業時間:10:00~17:00(土曜日~16:00)
定休日:日曜日・祝祭日
アクセス:銀座6丁目並木通り
地図:Yahoo!地図情報
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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