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2024年(令和6年)干支は辰!たつ年や竜(龍)の豆知識

2024年(令和6年)は辰年です。動物にあてはめると竜(龍)ですが、竜は十二支で唯一の想像上の動物なので、わからないことも多いと思います。そこで、辰の語源や意味、竜の特徴、言葉やことわざなどの豆知識を紹介します。年賀状や新春の話題に活かしてください。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

2024年・令和6年は辰年(たつ年)

2024年・令和6年は辰年(たつ年)

2024年・令和6年の干支は辰(たつ)

2024年(令和6年)は辰年です。動物にあてはめると竜(龍)ですが、竜は十二支で唯一の想像上の動物なので、わからないとも多いですね。そこで、辰の語源や意味、竜の特徴、ことわざなど、辰と竜に関する豆知識を紹介します。年賀状や新春の話題に活かしてください。

※本来、干支は十干と十二支を組み合わせたものなので、2024年の干支は「甲辰」(きのえたつ)ですが、一般的には十二支のほうをさすため、ここでは「辰」をとりあげます。
 
<目次>

十二支としての辰について

  • 十二支では、5番目
  • 辰の方位は、東南東(正しくは、南東よりやや東、東南東よりやや南、南東微東よりやや東)
  • 辰の刻は、午前8時を中心とする約2時間(7時~9時)
  • 辰の月は、旧暦3月
  • 陰陽は、陽

2024年の干支の「辰」という字の成り立ち

「辰」という字は「蜃(しん、はまぐり)」の原字で、二枚貝が足を出して動いている形態を表しており、肉片などが動くという意味があります。
 
中国の『漢書 律暦志』では、辰は「ふるう、ととのう」を意味する「振」で、陽気が動いて万物が振動し、草木もよく成長して形がととのった状態を表すと解釈されています。中国伝来の十二支は、もともと植物が循環する様子を表しているので、十二支の5番目に、草木の形がととのった様子を表す「辰」がきます。
 

2024年の干支の「辰年・たつ年」の特徴

辰年は陽の気が動いて万物が振動するので、活力旺盛になって大きく成長し、形がととのう年だといわれています。
 
また、たつ(竜、龍)は十二支の中で唯一空想上の生き物で、権力や隆盛の象徴であることから、出世や権力に大きく関わる年といわれています。
 

2024年の干支の「竜・龍」についての豆知識

逆鱗に触れてしまうと、大変なことになります

逆鱗に触れてしまうと、大変なことになってしまいます

「竜」は常用漢字で、「龍」は旧字体。「竜」は「龍」の略字ですが、古字でもあります。

竜は古代中国の神話で神獣とされているので、中国では皇帝のシンボルとなっています。そのため、竜顔=帝王の顔、竜衣=帝王の衣服、竜影=帝王の姿など帝王にまつわるものには竜がつくことが多く、最上級の意で竜を用いることもあります。

また、竜は四神(青竜、朱雀、白虎、玄武)のひとつで、水中に棲むとされ、なき声で嵐や雷雲を呼び、竜巻となって昇天し、飛翔します。

竜の姿は「竜に九似あり」といわれるように、角は鹿、頭は駱駝、目は鬼、身体は蛇、腹は蜃(想像上の動物)、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛に似ており、長い髭をたくわえ、あごの下に1枚だけ逆さに生えた逆鱗(げきりん)があります。竜はこの逆鱗に触れられるのが大嫌いで、触れられると激高し、触れたものを即座に殺すとされています。
 

竜にまつわる言葉・ことわざ

竜は水を司る神様なので、手水舎の水は竜の口から流れていることが多い

竜は水を司る神なので、手水舎の水は竜の口から流れていることが多い

こうした竜の様子から、竜にまつわる言葉やことわざがうまれました。

・竜宮(りゅうぐう)
海の底にあるという竜王の宮殿。乙姫が住むとされ、浦島太郎の物語でも有名。

・竜神(りゅうじん)/竜王(りゅうおう)
雨を降らせ、水を守る神。水神。

・雲竜(うんりゅう)
雲にのって昇天する竜。

・逆鱗に触れる(げきりんにふれる)
(目上の方の)触れてはならないものに触れ、相手を怒らせてしまうこと。竜のあごの下には逆さに生えた鱗があり、これに触れられると激しく怒り、触れた者を即座に殺すとされていることから。

・竜頭蛇尾(りゅうとうだび)
初めは勢いが盛んであるが、終わりは奮わないこと。

・登竜門(とうりゅうもん)
鯉が滝をのぼって竜になったという古代中国の故事から、立身出世の関門のこと。鯉のぼりの由来にもなった。
鯉のぼりの由来

・雲は龍に従い、風は虎に従う(くもはりゅうにしたがい、かぜはとらにしたがう)
立派で聡明な君主のもとには必ず賢臣がいること。また、君主に徳があれば必ず賢臣が現れることのたとえ。
 
・竜の頷の珠を取る(りゅうのあぎとのたまをとる)
ある目的のために非常な危険をおかすことのたとえ。
 
・竜の水を得る如し(りゅうのみずをえるごとし)
竜が水を得て昇天するように、強いものが一層勢いを得ること。また、ところや時機を得て大いに活躍すること。竜に水。類語に「竜が雲を得る如し」、「竜に翼を得たる如し」。
 
・竜の鬚を撫でる(りゅうのひげをなでる)
極めて危険なことのたとえ。
 
・竜の髭を蟻が狙う(りゅうのひげをありがねらう)
弱者が身の程を考えずに強者に立ち向かうことのたとえ。
 

竜に関係すること

確かに竜に似ている!?タツノオトシゴ

確かに竜に似ている!?タツノオトシゴ

・竜の落とし子(たつのおとしご)
およそ魚には見えず竜の姿に似ていることから、「竜の落とし子」と呼ばれるようになった。英名は「Seahorse」。また、タツノオトシゴの仲間に、タツノイトコ、タツノハトコがいる。

・竜の髭(りゅうのひげ)
ユリ科の多年生常緑草で、その名の通り、竜の髭に似ている。日陰に強く、とても丈夫なため、庭の植え込みによく使われる。

・竜胆(りんどう)
リンドウ科の多年生植物で、秋に釣り鐘型で紫色の花が咲く。干した根を生薬として用いるが、あまりにも苦く胆汁のようなので、最上級の竜を冠し「竜胆」と名付けられた。

・九頭竜(くずりゅう)
日本各地に九つの頭をもつ竜の伝説があり、それにまつわる地名や神社などがある。

・鳴竜(なきりゅう)
天井に大きな竜が描かれており、真下で柏手を打つと竜が鳴いているように響く仕掛け。日光東照宮(栃木県)、相国寺(京都府)、妙見寺(長野県)などにある。

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