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仏像ファン待望「神仏います近江」展(3ページ目)

近江(滋賀県)の仏像は、仏像ファンの憧れの的。しかし、事前に予約しないと拝観できない、もしくは、普段拝観を受け付けていない寺も多く、なかなかお会いするのが困難です。2011年の秋には、それらの仏像を三つの博物館に集めた大規模な展覧会が行われるので、行くなら今がチャンス!しかし、今回の展覧会に展示されない仏像もまだまだ多いので、それらにお会いするための基本情報もおまけにつけました。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

滋賀県立近代美術館「祈りの国、近江の仏像」

不動明王

常照庵・愛荘町、不動明王とその眷属

古代から中世は、仏像という芸術表現が大きく発展した時代です。近江では、天台宗総本山、延暦寺が拠点となる寺院を各地に建立したことにより、小さな集落の寺にも、完成度が高い仏像が祀られるようになりました。滋賀県の広範囲によい仏像が点在しているのは、こうした理由からです。

この展覧会では、近江の数々の傑作仏像が、時代ごとに展示されます。「これまでなかなか見られなかったあの仏像さんたち」に、一度にお会いするチャンス!ということで、仏像マニアたちが大挙して押しかけるに違いありません。

わたしもいち早く駆けつけましたが、のっけから、「ええっ、滋賀県には、こんなによい仏像がたくさんあったの?」と驚くばかり。ちょうど巨大台風が日本列島を駆け抜けていた最中だったせいか、拝観者はほぼわたしひとり。貸切状態で、仏像さんたちとの対話を楽しみました。とりわけ、白洲正子さんもお気に入りの湖南町の正福寺の十一面観音さんにうっとり。上の写真の常照庵の不動明王さんの生き生きした表情にも感激いたしました。
正福寺

滋賀県立近代美術館の展示。右端の背の高い方が、正福寺の十一面観音様です

滋賀県立近代美術館は、琵琶湖の南端の瀬田川の近くの丘陵地帯にあります。周辺には図書館などもあり「文化ゾーン」となっています。自然に囲まれた、美術鑑賞には絶好の環境ですし、JR瀬田の駅からバスもあるので、とても行きやすいです。近くには、紫式部が源氏物語を書いたことでも知られる石山寺もありますので、合わせてお出かけになるとよいと思います。

また、石山駅や瀬田駅近辺には快適なビジネスホテルもあり、ここを足場にすれば、MIHOミュージアムにも行きやすいです。また、京阪電車に乗れば、大津歴史博物館にも簡単に行けます。3館まとめて行きたい方は、大津駅付近より、こちらに宿を取る方が便利かもしれません。

【瀬田会場】滋賀県立近代美術館 企画展示室
滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
電話:077-543-2111
2011年(平成23年)9月17日(土)~11月20日(日)
「祈りの国、近江の仏像-古代から中世へ-」
月曜日休館(祝日の場合は開館し、翌平日休館)

★オールアバウト内の写真は、もちろんすべて無断転載禁止ですが、この展覧会の展示物の写真は、博物館から特別にお借りしたものなので、特にご注意ください。

次のページは、大津歴史博物館の「日吉の神と祭」です。
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