MIHOミュージアム「天台仏教への道」

千手観音

「千手観音立像」 【重要文化財】 木造素地 高176.3cm 平安時代+11世紀初 善勝寺蔵

MIHOミュージアムでは、天台宗の仏教文化を中心とした展示が行われます。天台宗の総本山は比叡山延暦寺。京都府と滋賀県のちょうど県境にありますが、天台宗開祖の最澄は、滋賀県側の延暦寺山麓にある坂本というところの出身です。そのため、近江各地には、古くから天台宗の文化が浸透していました。

こちらの会場では、滋賀県内の寺に伝来する仏像とともに、曼荼羅、涅槃図などの絵画や経典なども多数展示され、天台宗文化の流れがよくわかるようになっています。

仏像の中でも、特に気に入ったのは、上の写真の千手観音です。本当に手が千本ある(正確な数は未確認のようですが、おそらく千本を目指して造られている)千手観音は、実はとても珍しく、その上、お顔の両脇に2つの顔があるという形はめったに見ません。このように珍しい形であるにもかかわらず、ほとんど欠けた部分のないほぼ完品という点も貴重です。奈良や京都の仏像ほど有名ではないけれど、滋賀県内には、このように優れた仏像が、まだまだたくさん隠れているようです。
MIHO外観

MIHOミュージアムの外観。日本の古民家にアイディアを得た形でしょうか

おにぎり

レストランの人気メニューはおにぎりセット。手づくり豆腐が美味

こちらの美術館は、信楽の山中に忽然とあらわれる、天空の桃源郷のようなところです。著名な建築家(I・M・ペイ)の設計による建物も斬新で美しく、自然に囲まれた環境も素晴らしいです。私立美術館としては日本有数のコレクションを誇り、ギリシャ、ローマ、エジプト、中近東、中国、日本などから、たいへん優れた作品が集められています。したがって、企画展以外の常設にも見るべきものが多く、館内には自然食のレストランもあるので、わたしは、ここに行ったら、一日ゆっくり過ごすのが常です。

JR石山駅からバスが1時間に1本程度あり、山中のわりには交通の便がよいと言えます。ただし、片道50分ほどかかりますので、近隣の寺にもついでに寄りたい場合は、レンタカーかタクシーでお出かけください。近隣と言っても山中のことですから、別の寺などに行くにはけっこう時間がかかることも、心得ておいてくださいね。焼き物好きの方なら、信楽の陶芸の森などに行かれるのがよく、それなら、車ですぐです。

【信楽会場】MIHO MUSEUM
滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
電話:0748-82-3411
2011年(平成23年)9月3日(土)~12月11日(日)
「天台仏教への道-永遠の釈迦を求めて-」
月曜日休館(祝日の場合は開館し、翌平日休館)

★オールアバウト内の写真は、もちろんすべて無断転載禁止ですが、この展覧会の展示物の写真は、博物館から特別にお借りしたものなので、特にご注意ください。

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