榮太樓總本鋪 (えいたろうそうほんぽ)

150年以上前に屋台ではじめた「きんつば」に、初代の考案した香ばしい「梅ぼ志飴(うめぼしあめ)」。日本橋の「榮太樓總本鋪(えいたろうそうほんぽ)」には、語り継ぎたい江戸の菓子がいくつもあります。
 

「榮太樓總本鋪」の工場を訪ねる

1857年創業の「榮太樓總本鋪」。前身の屋台店が、孝行息子の作る安くて美味しい「栄太郎(初代の幼名)の金鍔(きんつば)の店」として、江戸っ子に愛されたことから付いた店名です。

歴史あるお菓子の製造現場を見たくなり、調布(2013年に八王子みなみ野へ移転。)の工場へお邪魔してきました。

「名代 金鍔(なだい きんつば)」は、こう作る

重箱式の「詰合せ」

重箱式の「詰合せ」(1~4段)。1段ずつ掛け紙が掛かる

創業以来の同店の代表銘菓、「名代 金鍔(なだい きんつば)」。


手前「名代 金鍔」(189円)、後方「栗金鍔」(231円)

手前「名代 金鍔」(189円)、後方「栗金鍔」(231円)

中が透けるほどに薄い皮を割り、口に運ぶとつぶし餡の深い旨味がじんわり。それを引き立てるように、香ばしいごまの香りがふわりと立ちます。

いたずらに砂糖を控えることはしない同店の餡。小豆餡の旨味と香りは、砂糖の甘さと香ばしさにより引き出される部分が大きいものです。時代の流れとともに、砂糖を控えた淡白な餡が増える中、同店では、小豆餡本来の深い味わいが楽しめます。
生地の20倍の重さの餡

生地の20倍の重さの餡を包む。手包みの金鍔は、日本橋本店限定

ところで、今でこそ「きんつば」と言えば、寒天で固めた餡を四角く切り、ゆるい小麦粉生地を付けながら、鉄板などで六面を焼くものが主流ですが、そもそもは刀の鍔(つば)にちなむ名。丸い形が元祖です。
ごま油で焼く

焼く際に使うごま油は、香りと味の大切な担い役。調布の工場にて

「名代 金鍔」は、小指の先ほどの生地で、その20倍量もの粒餡を包んで黒ごまをのせ、ごま油で刀のつばの形に焼き上げたもの。150年以上もの間、受け継がれてきた技です。

焼き立て熱々を試食させて頂くと、まだ餡が柔らかく、特に底部分の生地の香ばしさが際立ち格別の味わい。手包みの焼き立てきんつばは、日本橋本店でも楽しめます。