課税売上割合「95%ルール」の見直し
■現行制度の確認現行制度では、非課税売上に対応する課税仕入については、仕入税額控除を認めないのが原則ですが、事業者の事務負担に配慮する観点から、課税売上割合(課税売上/課税売上+非課税売上)が95%以上の場合には、全ての課税仕入について仕入税額控除が認められています。いわゆる「95%ルール」と呼ばれているものです。
■23年度改正内容
「95%ルール」については、本来納付すべき税金を納付しなくてもよい「益税」問題が指摘されていました。また、企業規模に関係なく適用されているため、取引の大きい大企業などは益税とされる金額も多額となっています。
そこで、本制度の趣旨に鑑み、その課税期間の課税売上高が5億円(その課税期間が1年に満たない場合は年換算)を超える事業者には適用できなくなります(つまり、課税売上高が5億円以下の小規模事業者については、引き続き「95%ルール」を活用することができますので、ご安心ください)。改正時期は、2012(平成24)年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
なお、課税売上高が5億円を超える事業者は、仕入税額控除について、次のいずれかの方式により計算することになりますので、ご注意ください。
- 個別対応方式 課税仕入等の税額を、個々の仕入ごとにA「課税売上のみに対応するもの」とB「非課税売上のみに対応するもの」とC「課税売上と非課税売上に共通に対応するもの」に区分し、(A+C×課税売上割合)で求めた金額を仕入税額控除とする
- 一括比例配分方式 課税仕入等の税額を、個々の仕入ごと区分せず、一括して課税売上割合を掛けた金額を仕入税額控除とする