高級マンション/高級マンション選び

高級マンションは構造で選ぶ(2ページ目)

いま、マンションの構造に対する関心が高まっている。構造の3つの考え方、耐震、制振、免震。地震の揺れに強いのはどれか? 耐久性が高い装置は? さまざまな角度から構造について考えてみよう。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド

制振、免震の利点

制振ダンパー

制振ダンパー

「制振」はオフィスビルをはじめ、背の高い建物に採用されるケースが多い。「制振」には階層ごとにダンパーを組み込む方法や建物の上部に重りのような役割のダンパーを設置するケースなど方法論は多様である。日本一の超高層ビルである「ランドマークタワー」や現在建設中の「スカイマークツリー」なども制振構造であるが、これらは後者を用いている。

制振のメリットはコストが免震に比べ低くおさまること。また耐久性が、大地震などで交換せざるを得ない場合などを除けば、永久的な装置もあることなどである。これに対し、免震の代表的な積層ゴムは耐久年数が60年以上とされる。長期優良住宅は200年をスローガンに掲げてできた法律であるが、それからすると交換を余儀なくされる工法である。

しかし、免震は建物そのものへのダメージの軽減はさることながら、建物のなかにあるモノの落下などによる損傷も免れられる可能性があり、さらには人の精神的な揺れに対する恐怖心などを止められることができうる点ではもっとも先進的な構造手法であるといえる。現に美術館や官公庁の庁舎など他分野にまたがって採用実績がある。

比較する上での留意点

免震ピット

免震ピット

耐震、制振、免震のどれを選択するかは、施主であるデベロッパーの判断となる。3つのなかで、どれか望ましい選択なのかは、地盤、敷地の形、建物の形状と高さ、コスト、設計会社と施工会社の実績、デベロッパーの意思などが要素となって判断がなされる。

したがって、マンション購入検討者は、なぜその構造手法を選択したのかを(その違いをしっかりと把握した上で)、まずは確認するのがいいだろう。例えば超高層建築物であるタワーマンションで、耐震構造なら、なぜ制振あるいは免震を採用しなかったのか。(ベストな選択というものの有無にかかわらず)それに対してわかりやすい答えがまず返ってくることが信頼の第一歩である。

そして、どの構造であっても必ず確認したいことは、
「制振あるいは免震装置のメンテナンスの時期と方法」
「大地震があったときのダメージのチェックは誰がするのか」
「制振あるいは免震装置の交換時のコストや方法」
などである。


【文中の画像とその関連記事】
制振ダンパー「愛宕グリーンヒルズ フォレストタワー」
免震アイソレーター「桜プレイス」

【関連記事】
タワーマンションの「長周期地震動」対策



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