高まる構造への関心
高層化された都心の風景
というのも、これまでならプラン(建物)といえば、「外観デザイン」や「共用部のグレード」や「面積の広さ」「設備の充実」などを称したものであったが、最近では、構造や大地震が起きたときの対応力などを心配する声が増えてきたからだ。
東日本大震災では、西新宿の超高層ビルにおける長周期地震動が話題になったこともあり、タワーマンションをはじめ、都心の高級マンションを検討する人たちの間では、どの構造手法が安心なのか、また実績はどうなのか、疑問や信頼性を確かめたいとする声が多く寄せられているようだ。
構造の3つの概念
免震装置(すべり支承)
「耐震」は文字通り、地震の揺れに対抗する強固な構造で設計されることをいい、大地震がきても倒壊しない基準を満たすことを目的としている。これに対し「制振」はダンバーなどで揺れを減衰させる設計である。「振」の字は、地震だけでなく、風の揺れを抑える目的も大きいことから用いられているようだ。
「免震」は地盤と建物を絶縁し、その間に積層ゴムやすべり支承などの免震装置(アイソレーター)をはさみ、地震の揺れそのものを建物に伝えまいとする考え方である。分譲マンションに導入されたのが、まだ16年程前であること、またコストも高くなるケースがあることから普及率はまだそれほど高くない。
さて、それぞれの利点や留意すべきポイントは?