ストレス/身近な人のストレスケア

大切な人に精神科を受診させる上手な促し方

ストレスがたまりすぎると、気分転換では解消せず、精神科受診が必要になることもあります。そんなとき、周りはどのように受診を促せばいいのでしょう? 上手な誘い方をお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

気分転換で回復しないなら精神科受診を考えよう 

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気晴らしをしても良くならないときには?

ストレスがたまってつらくなる日が増えてきたとしても、たいていの場合には、人に話を聞いてもらったり、おいしいものを食べたり、旅行に行って気分転換をしたりすれば、元気が戻るものです。

しかし、そんな工夫すらしたくない、したとしても一向によくならない場合には、心の病気を疑い、精神科での治療を始めた方がよい場合があります。たとえば、ほぼ1日中の憂うつ感や無気力、不眠やあせり、自責感などが2週間以上続く場合には、うつ病の可能性があるのかもしれません。人に見られているような感じ、人から非難されている声が聞こえる感じたしたり、思考がまとまらずに閉じこもりがちになる場合には、統合失調症の可能性があるのかもしれません。

早めに治療を始めれば、数カ月単位の早めの期間で回復できる可能性が高まります。早めに回復することで、以前と変わりない生活に戻れる可能性は高くなるのです。


症状が重くなるほど、病気と気づきにくい 

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重くなるほど病気とは気づきにくい

しかし、精神科の受診には、大きな抵抗感を持つ人も多いものです。一つには、まだまだ「精神科」に対するイメージや薬物治療に対して、偏見を持つ人が多いことがあげられます。

また、精神科の病気の場合、一般的に病気が重くなるほど「自分は病気である」という病識が失われることも理由の一つです。つまり、周りが心配になるほど落ち込んでいたり、非現実的な思い込みに囚われたり、奇異な行動が増えてくるときほど、「自分は病気だ」と気づきにくいのです。そのため、周りが勧めても本人がなかなか受診を了承せず、症状が悪化してしまうケースも少なくありません。

しかし、たとえ病識はなくてもその状態を放置していたら、症状は進んでしまいます。最悪の場合には、死にたくなるほどつらくなってしまいます。そのため、見守りつつも受診を促していくことが必要になりますが、声のかけ方にはあるコツがあるのです。次のページで見てみましょう。

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