起業してから経営が安定するまでの最大の難所は、起業1年目を資金不足にならずに乗り切れるかどうかです。安定した売上入金が確保できるまでの間も、様々なコストは発生し、資金は流出していきます。また、経験不足から資金繰りの予測を見誤り、思わぬ出費に対応できないケースもあります。そうならないためには、あらかじめ正しい情報を把握し、万全の準備をしておくことが重要です。起業コンサルタント(R)・税理士として、多くの起業家のサポートをしてきたガイドが、資金的に苦しい起業1年目を乗り切るための資金繰りのノウハウを公開します。

十分な自己資金を用意しておく

十分な自己資金を用意することが基本

十分な自己資金を用意することが基本

起業1年目に資金不足にならないために最も重要なことは、起業前に十分な自己資金を用意しておくことです。創業融資を受けるにあたっても全体でかかる資金のうち、どのくらい自己資金を持っているかという自己資金割合が審査のポイントになります。

詳しくは「自己資金はどのくらい? 起業での資金調達」をご参照ください。

よくある失敗例としては事務所や店舗の契約、内装工事、ウェブサイト制作、備品など、事業立ち上げにかかる資金は用意していても、売上があがって回収するまでにかかるコストを支払う資金が足りなくなってしまうケース。売上をあげるためには広告費もかかるし、会社を維持するためには様々なコストはかかります。先を見越して資金繰りを検討しておきましょう。

事業立ち上げにかかる資金、起業後に必要になる資金を正しく把握するためには、起業前に事業計画書をきちんと作成することをオススメします。じっくりと検討しながら事業計画書を作成することによって、堅実な起業が可能となります。詳しくは 「事業計画書の書き方」をご参照ください。
 

未来のキャッシュフローを正しく把握する

資金は事業の血液。不足すれば、事業の継続は不可能となってしまいます。そのため、経営者の頭の中には最低でも3ヶ月先まで資金が足りるかどうか把握しておく必要があります。

その判断をするにあたり、まずは正しい情報を把握しましょう。正しい情報を常に把握するためには、毎月、資金繰り表を作成することをオススメします。一般的な資金繰り表の書式でも、エクセルなどで作成したオリジナルの書式でも構いません。自分がキャッシュフローを把握するのにわかりやすい表を作成すればOKです。詳しくは「資金繰り表の作り方」をご参照ください。

意外と思うかもしれませんが、特に売上拡大期ほど資金繰りに警戒が必要です。例えば、多額の仕入資金や人件費などの固定費が先に出て行き、売上金の回収が後になるケース。このズレ(運転資金)が大きい場合、たとえ利益が出ていても、資金がショートする可能性が出てきます。正しい情報を早めに掴んで、対策を怠らないようにしましょう。

運転資金不足への対策は早めに

未来のキャッシュフローを把握した結果、当初に用意した自己資金だけでは運転資金が不足することが予想される場合、早めに対策を考えて行動しましょう。出資を受けて増資する、知人、親類などから個人的な借り入れをする、日本政策金融公庫の融資を受ける、自治体で行う信用保証協会の保証付きの創業融資を受けるなどの手段が考えられます。詳しくは「日本政策金融公庫で新創業融資を調達するノウハウ」をご参照ください。

いずれの手段も資金調達までに1ヶ月から2ヶ月程度の時間がかかります。早めにアクションを起こしましょう。特に、極端に少ない資本金で会社設立した場合は、創業融資を申込みをする前の段階であらかじめ増資を検討した方が良いケースもあります。増資の手続にも時間がかかるため、その期間も見込んで早めに行動することをオススメします。