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世界最大の液状化、新たな恐怖「側方流動」(2ページ目)

東北太平洋沖地震発生から4カ月が経過した。いまだ被害のすべてが明らかでないが、徐々にその内容や原因が解明されはじめている。先日放映されたNHKスペシャル「液状化現象」において、被害面積は4200ha、東京ドームの大きさにして900個分にも及ぶと報じられた。世界最大の被害をもたらした液状化の深刻さとその新たな恐怖「側方流動」についてまとめた。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

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「液状化予測」を住宅購入の段階で知る方法

液状化被害

液状化被害

液状化被害はこれまでにも報じられているとおり、ライフラインの寸断や建物の不同沈下をまねく。家の傾きが0.3度程度でもあると、人は体で感じとるといい、0.8度を超える程度になれば、体調に悪影響を及ぼす恐れがあるそうで、傾いた家に住み続けることは困難だといわれている。

したがって、傾きを直すか建て替える必要があるわけだが、この費用が二重のローンとなってしまうケースがあり、問題を深刻化させている。さらに、いちど液状化した場所は次に大きな揺れがあったときに、再度液状化現象が起きる可能性があり、建て替える場合は地盤改良で費用がさらに上積みされる場合がある。

このように大規模な液状化現象は、物理的にも精神的にも、そして経済的にも多大な被害を与えることになるのだが、住宅購入の前にその危険性を知る手立てはないのだろうか。

重要事項説明には記載されない!?

不動産取引には専門知識が不可欠である。地域別に建物の用途が制限(都市計画法)されたり、接道幅で容積率が変わる(建築基準法)など一般的には知りえない情報が多い。また、生活の根幹でもある住まいは、万一目に見えない瑕疵があった場合大きなトラブルにつながりかねず、その対処法も事前に講じておきたい。

よって、不動産の売買契約を締結する際には、それらをまとめて「重要事項説明書」として契約前に、不動産会社の宅地建物取引主任者が買い手に説明することが法律で義務付けられている。消費者を保護するルールがしっかりと確立されているのである。

では、液状化予測に関する情報はこの重要事項に含まれないのだろうか。いまのところ、そのこたえは「ノー」だ。なぜなら、そもそも液状化現象は正確に予測することが不可能だからである。現在自治体が提供している「液状化予測マップ」はあくまでいくつかの地質情報から想定して作成されたものであって、地盤のすべてを測定して公表しているものではない。

もちらん、「液状化予測マップ」は現時点ではもっとも参考になる情報・手掛かりであることに間違はない。が、完全な情報を得、正確に予測することの不可能なものを決め事の拠り所とするのは無理である。だから、自分で調べ判断するしかいまのところ打つ手はない。

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