「どらやき すずめや」と「ギャラリー シャコ」 

池袋の路地裏にある小さな和菓子店「どらやき すずめや」。10年前に自宅の玄関先で売り始めたどらやきの虜になった人は数知れず。2011年4月には、アートとお菓子を楽しむ「ギャラリー シャコ」をオープン。表現の場を広げています。

「どらやき すずめや」始まりは自宅の玄関から

どらやき すずめや

「どらやき すずめや」ご夫婦で営む小さなお店

適度な弾力がありながら、ふっくらと膨らんだ皮。じんわりと旨味のあるつぶし餡。焼き加減も大きさも、皮と餡とのバランスも、絶妙な塩梅の「どらやき」。目立たない場所にあるお店ですが、繊細な味に魅せられた人が次々と訪れ、連日早い時間に売り切れます。 

上生菓子も100円代

気軽に買ってもらえるようにと上生菓子も100円代!(生菓子の種類は季節により変わります)

岐阜・中津川と都内の老舗和菓子店で計7年修業を積み、10年前に奥さまの実家の玄関先で、ひっそりとどらやきの販売をスタート。現在は落ち着いた佇まいの店舗を構え、「どらやき」と「茶玉」、2種類の「最中」と季節の生菓子数種類を作っています。 



 

「どらやき すずめや」の「どらやき」 

どらやき

「どらやき」(1個150円)

どらやきを看板にしたのは誰もが知るお菓子だったから。誰もがはっきりとしたイメージを持つお菓子であれば、スタンダードな味より少しでも良いものができれば買ってもらえるはず、と考えたそうです。一方で、評判の高い老舗のどらやきを食べて「これだと思った」とも。ご主人は自分に高いスタンダードを課したようです。

皮は、粉と卵と砂糖が同割で入る一般的な配合。蜂蜜と重曹も加えた種を鉄板で焼き、餡を挟んだオーソドックスなどらやきです。

吟味した材料を使うのはもちろんですが、皮の出来を最も左右するのは、職人の勘が頼りの水加減と焼き加減。生地が気持ちよくふわっと膨らみ、キメ細かくしっとりと焼き上がるまでは、ほんのわずかな時間しかありません。生地を焼くたび少しずつ黒くなっていく鉄板に合わせ、焼き加減を微妙に変えることができるのは職人だけ。機械が入る隙はないそうです。

ご主人が「皮よりは簡単」というつぶし餡ももちろん自家製です。渋を切りすぎず豆の香りを残した餡は、深みのある甘さが印象的。「砂糖が高い濃度で餡に入ると少しキャラメル状に変化する。それが小豆の汁と合体し、初めて美味しい餡になる」とあえて砂糖を控えてはいませんが、野暮な甘さはありません。
茶玉

「茶玉」6個入り250円

すずめやの餡を堪能するには、半生菓子「茶玉」がおすすめ。餡に上白糖をまぶし、トリュフの型に入れて打ち出し、1晩乾かしてからお抹茶を振ったもの。抹茶は京都の一保堂茶舗の「蓬莱の昔」。濃茶にも使われる贅沢な抹茶の豊かな甘さと香りが、餡の風味と相まって口の中でふわりとふくらみ、鼻から抜けていきます。
もなか

「もなか」(粒餡・ごまくるみ餡各1本入150円)小ぶりの短冊形で食べやすい上、餡と皮の香りがいい

味を守るためにもご主人が作り、奥さまが売るスタイルを守り、お店の規模を広げるつもりはないとのこと。その代わりに「色々な人と繋がりを持ち、存在感のあるお店になりたい」。それを形にしたのが、4月にご夫婦の自宅車庫にオープンさせた空間「ギャラリー シャコ」です。