SEPTIS別注のトップサイダー・オックスフォード(3ページ目)

敢えて水通しせず、洗う度に履き心地が向上する！

今回セプティズが企画したトップサイダーのオックスフォードは、アッパーに用いている生地が2種類ありますが、どちらにも何気ない工夫がされていて、それが見た目と履き心地の向上に大いに貢献しています。まず大定番のコットンキャンバス地については、実は白も紺（と言うより「プレジデンシャルブルー」と呼びたい濃い青）も敢えて水通しを施さずに靴に成形しています。購入後何度も洗濯される運命を持つキャンバススニーカーのアッパーは、生地の段階で水通しをすることで、洗濯後の個体差すなわち寸法の狂いを極力防ぐのが今日の常識なのですが、どうして？

理由は正に逆転の発想！ お手本になった当時のモデルと同様に、履き込んで洗濯された後にアッパーの生地に縮みが出てしまうのを通じて、つま先の先端部を反り上がらせるのと共に更に内側に振れさせ、美しいバナナシェイプがより強調された経年変化に仕向けるためなのです。しかも洗濯後のアッパーには、足の形状に合わせての生地の微妙な伸縮も同時に起きてしまうため、洗う度に足へのフィット感も結果的に増してしまいます。

そう、リーバイスの501のシュリンク・トゥ・フィットと全く同じ着眼点であり、白は汚れや独特の黄ばみすらアジになる一方で、紺はそれこそデニムの「ひげ」と同種の白んだ履きジワが生じるのが魅力！ この確信犯を安定的に実現させるべく、洗濯等のテストも繰り返し行い、生地の裁断にも工夫を凝らしたとのことですよ。
もう一つの生地は、こちらもプレジデンシャルブルーと呼びたい紺のコーデュラナイロンです。この素材がバッグやアウトドア用品に本格的に用いられるようになったのは1970年代の後半以降なので、当時としてはかなり進取の選択であり、それ故数年しか採用されなかった幻の中の幻的存在。化学繊維なので撥水性や耐久性それにカビには滅法強いものの、コットンキャンバスのものに比べ足に「蒸れ」がどうしても生じ易いのを考慮し、オリジナルと同じ裏地なしの一枚仕立てにしてある点は注目！ かかとの月型芯を固定する為のダブルステッチが見分けるポイントで、コットンのものに比べ経年変化こそ少ないものの、軽さやイージーケア性を追求したいなら選ぶべきは当然こちらでしょう。

ちなみにセプティズのオーナーの玉木さんは、この道30数年の筋金入りのトップサイダーファンであり、そう言う方が並々ならぬ熱意を持って企画し、復刻させたのが今回ご紹介したオックスフォードシューズです。某有名セレクトショップなど他のお店にも若干出回っているみたいですが、どうせ買うのならこのように「ぶれない姿勢」を持ち続けてくれた本人のお店で買いたいですよね！ 暑くなりそうなこの夏の休日に、できれば素足で履いてガンガン洗って、革製の紳士靴とはまた異なる「自分だけの1足」に仕上げて行って下さい！

【SHOP DATA】
SEPTIS（セプティズ）
住：東京都世田谷区三軒茶屋1-41-13
TEL：03-5481-8651
営：13時～21時(日曜・祝日は12時～20時)
休：水曜（ただし祝日の場合は営業）
アクセス ： 東急田園都市線三軒茶屋駅 南口A出口より徒歩1分
地図 ： Yahoo!地図情報

【関連リンク】
通販サイトは、以下の3店があります。
・SELECT STORE SEPTIS（直営オンラインショップ）
・セプティズ - Yahoo!ショッピング
・【楽天市場】SELECT　STORE　SEPTIS

・SEPTISのトリッカーズ製完全別注ブーツ

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