どんなマンションを買うかは自己責任で決めるべき
中山さんがダイヤモンド・ザイ編集部との共著で書かれた本のタイトルは、ズバリ『戦略的マンション購入マニュアル』(ダイヤモンド社)。4色カラー刷りで、中山さんをキャラクターとしたイラストや図表類がたくさん載っていて、読みやすい体裁です。この本で言う「戦略的」とは、どんな意味なのでしょう?
「よく『金利が低いから』とか『友人が買ったから』など、世の中の動きを気にして家を買うかどうかを決める人がいますが、そういったことはあくまで“きっかけ”に過ぎません。『どんな家をいつ、どのように買うか』は、明確な戦略を立てて自分自身で決めるべきだということです。その際に理解しておいてほしいのは、マンションの価格と価値とはイコールではないということです」
マンションの価格=価値ではない
価格と価値とは別物なのですか?「クルマのような消費財であれば、仕様と設備が決まっていれば全国どこで買っても同じ価格なので、価値=価格と考えてよいのです。でもマンションのような不動産は、広さや間取りなどのスペックが同じでも、どこでどのように買うかによって価格が大きく異なります。10年後の価格となると物件による差がさらに大きくなるので、価値の高い物件を見極める戦略が極めて重要だということです」
ライフステージに合わせてベストな家の選択を
なるほど、10年先も見据える必要があるのですね。「『家は一生に一度の買い物』というのは一時代前の考え方です。転勤や転職、子どもの進学など、ライフステージの変化に合わせてそのときベストの家に住み替えるのが、これからの戦略的な住宅購入といえるでしょう。住み替えの際に高く売ったり貸したりできる家はどのように探せばよいのかを、大量のデータに基づいて明らかにしたのがこの本なのです。マンションの価値の本質を見極め、物件選びで後悔したくない人にぜひ読んでいただきたいと思います」
では具体的に、どんな戦略を立てれば良いのか――それは本を読んでいただければと思います。ちなみに本の売上からの収益は、すべて東日本大震災の被災者に寄付されるそうです。自分自身と被災者の皆様の幸せのためにも、ぜひこの本を役立ててほしいですね。
・東京カンテイHP/http://www.kantei.ne.jp/