あなたは、部下の強みや能力をどれくらい認識していますか。そして、それに基づき、能力が発揮できるように適材適所の仕事を提供していますか。今回は、その人のコミュニケーションスタイル、強み、そして、今話題のグローバルマインドの3つの焦点に絞って紹介します。
最高のパフォーマンスを引き出すには、相手のコミュニケーションタイプを知ること
適材適所にはまず相手のタイプを見極めること
よくありがちなのは、プロジェクト内容についての経験知や携わっている年月の長さなどでリーダーやキーパーソンなどを決めてしまうことです。しかし、プロジェクトを円滑に動かし、確実に成果を出す上においては、メンバーの1人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮しなくてはなりません。それには、その人のコミュニケーションの傾向が大きく関わってきます。
人は、環境や役割が変わっても順応できますが、コミュニケーションのとり方はあまり変えないものです。なぜならば、コミュニケーションとは、今まで生き延びてきた関わり方であり、今まで基本的にこのやり方でうまくいっているのですから、必要以上に変えようと思わない、ということがあります。
自己主張をせず人を支えるコミュニケーションの傾向がある人が大人数のプロジェクトリーダーに任命されたり、発想豊かで人を巻き込む力がある人が同じことを繰り返す仕事についたりすると、能力を発揮することが難しくなります。
以下は、コミュニケーションのタイプ別の特徴です。対象となる人をイメージし、該当する項目にチェックしてみてください。
■コントローラータイプ
□ 行動的、野心的、エネルギッシュである
□ 決断力がある
□ 自分の思ったとおりに物事を進めることを好む
□ 人を寄せ付けない印象をあたえる
□ 自分のことをコントロールしようとする人には反発する
□ 戦いを通して相手を知ろうとする
□ 人の気持ちには鈍感なほう
■プロモータータイプ
□ アイディア豊富で創造力がある
□ 活気のあることをするのが好き
□ 新しいことを始めるのは得意だが、いったん進んでからの定期点検は苦手
□ よく話すが、あまり聞かない
□ 社交的でオープン
□ 人を承認するのが得意で承認されるのも好き
□ 一緒にいて楽しい人
■サポータータイプ
□ 人を援助することを好む
□ 決断するのに時間がかかる
□ 人の気持ちを汲むのが得意
□ 人の期待に応えるような行動をとる
□ 気配りがある
□ 対立を避ける
□ ノーと言うのが苦手
■アナライザータイプ
□ 物事に取り組む際に情報を収集して分析する
□ 客観的、冷静である
□ 粘り強く最後までやり遂げる
□ 対人関係が慎重
□ 孤立しても苦にならない
□ 自分のことはあまり話さない
□ 助言者やコメンテーターとなる傾向がある
チェックが多くついたところが、その人のコミュニケーションのタイプとなります。
コミュニケーションタイプを活かす
それぞれのタイプには次の特徴があります。その特徴を活かした役割を持たせると、パフォーマンスは多いに上がります。■コントローラー
自分が物事を判断し、スピード感を持っているため、リーダーシップを取る役割はこのタイプに適しています。
■プロモーター
人に影響を与えることを好み明るく目立つため、新しいことを始めたり、多くの人の協力を得ることが必要な役割がこのタイプに適しています。
■サポーター
人と合意したり、協力する傾向が強いため、サブリーダーやコーディネーターなどの役割がこのタイプに適しています。
■アナライザー
物事の正確性や細部にわたることへの関心が高いため、調査、分析、アドバイザーなどの役割がこのタイプに適しています。