マンション購入術/人気テーマのマンション購入

低層マンションの魅力(2ページ目)

一戸建て住宅が並ぶ閑静な住宅街にまれに低層マンションを見かけることがあります。マンションといえば駅近、中高層というイメージがあるかもしれませんが、このような住環境のよい地域に建つ低層マンションにも多くの魅力があります。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

規模が小さくこじんまりしている

風が強くないからベランダガーデニングが楽しめます。

風が強くないからベランダガーデニングが楽しめます。

低層住居専用地域に建つ低層マンションは一般的に規模が小さく、こじんまりしているものが多いのが特徴です。

その分、1階住戸の目の前に専用庭や専用駐車場を持てたり、個性的なデザインになっていたり、高層のように風も強くないのでベランダガーデニングを楽しめたりと「戸建感覚」が味わえます。

 

室内に柱・梁がない

3階建て以下のマンションで鉄筋コンクリート造の場合、柱・梁がなく、壁板や床板だけで構成される「壁式構造」で造られるものが多くなります。柱・梁がなければその分室内はすっきりしますが、その反面、荷重を支える耐力壁を増やさなければならず、室内空間(間取り)の自由度は少なくなります。

エレベーターがなくてもOK

東日本大震災の時、地震や停電の影響でエレベーターが止まり、高層マンションの上階では階段で自宅にたどり着くのがとても大変だったようです。低層マンションでも分譲ならほとんどの物件でエレベーターがついているはずですが、万が一エレベーターが動かなくなくなっても、3階程度であれば階段を使って自分の足で行き来できます。

耐震性はどうなのか

低層マンションで免震や制震を取り入れている物件はあまり多くないと思います。というのは、免震構造を導入するとその分コストがかかり、小規模マンションだと一戸当たりの負担が大きくなるためです。また制震構造は建物にある程度の高さがないとメリットがないといわれています。

従って、低層マンションでは建物自体で地震に耐える一般的な耐震構造の物件が多く、地震の際は建物が踏ん張って揺れに耐えます。新耐震基準で造られたマンションなら震度7でも倒壊・崩壊しないレベルの耐震性がありますが、揺れがそのまま建物を伝わるため、室内の家具転倒防止対策をしっかり取っておくことが大事です。

これからはいろいろな価値観を

ルーフバルコニー付きの間取りを選び、ウッドデッキを敷いてガーデニングを楽しんでいます。

ルーフバルコニー付きの間取りを選び、ご自身でウッドデッキを敷いてガーデニングを楽しんでいます。

私が以前インタビューさせていただいた子育てを終えたご夫婦は「老後は緑が多く閑静な環境で過ごしたい」とそれまで住んでいた駅前の高層マンションを売却し、駅から少し離れた小規模マンションを購入されました。

環境のよい地域では駅から離れていたとしても、戸建てを持つには価格的にまだまだハードルが高くなりますが、マンションであれば購入が可能であることも大きな決め手になったようです。

このように、マンションといえば駅近の利便性が良いところ、大規模(=共用部が充実しているところ)が良い、という価値観はもちろんありますが、少し離れた閑静な住宅街にある低層マンションにも、たくさん魅力があります。ぜひじっくりと検討して人生を楽しめるマンション選びをしていただきたいと思います。

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