イメージ写真

停電すると、マンション内では様々なトラブルが発生する。

東日本大震災は、われわれに多くの課題を突きつけました。まず1つ目は大津波という新たな自然災害の存在(打撃)です。福島県の相馬では9.3メートルという津波の高さを検潮所で観測しており、ハザードマップの予測値6.6メートル(最大)をはるかに超えた巨大津波が押し寄せていたことが分かりました。

無残にも潮が引いた後の街には鉄筋コンクリート製の建物がいくつか点在するのみで、木造住宅はがれきと化し、そこには見るに堪えない光景が広がっていました。津波の脅威をまざまざと見せつけられた格好です。人間の英知を超越した、すべてが“想定外”の出来事だったというわけです。

そして2番目の課題として突きつけられたのが原子力発電の安全性についてです。マグニチュード6.8を観測した新潟県中越沖地震(2007年7月)の時にも、柏崎刈羽原発で放射能事故がありました。しかし、今回はその比ではありません。在日外国人が母国から帰国するよう命じられるという、まるでパニック映画に出てくるようなシーンが現実のものとなりました。風教被害に苦しむ第一次産業従事者の方々の心労が、手に取るように伝わってきます。

さらに、今回の大地震では多くの発電所が緊急停止しました。福島第一原子力発電所ばかりが注目されがちですが、福島第二原子力発電所、広野火力発電所(福島県広野市)、常陸那珂火力発電所(茨城県東海村)も、4月28日現在、完全復旧にはこぎつけていません。特定地域を輪番制で停電にしていくという計画停電が実施されたのも、供給力の低下による電力不足が原因です。今後、災害が発生した際に電力の安定供給をいかに確保するか、3番目の課題として新たな取り組みが求められます。

幸い、私ガイドは東京23区内に在住し、計画停電も経験せずに済んだため、地震による日常生活への影響は特にありませんでした。しかし、ひとたび地震で大停電になるとマンション内では様々なトラブルが起こります。電気が使えない生活の不便さを、いやが上にも思い知らされることとなります。そこで転ばぬ先の杖となるよう、想定される停電時のトラブル例をまとめてみました。ご自宅の防災対策にお役立ていただけることを期待しています。

エレベーターは停止し、水道もストップ  トイレも使用不能になる

停電になるとマンション生活にどのような影響を与えるのか、一覧にしてみました。

  1. 安全装置付きガスメーターを取り付けているマンションでは、一定の揺れを感じると自動的にガスが遮断される。
  2. エレベーターが運転を停止する。
  3. エントランスのオートロックが自動では開閉しなくなる。
  4. 立体式(機械式)駐車場が使用できなくなる。
  5. 揚水ポンプが作動しなくなるため、各戸への給水が停止する。
  6. 水道が停止することで、同時にトイレも使用できなくなる。
  7. 家電製品がすべて使用不可になることは言うまでもない。

マイコン制御器(感震器)を組み込んだ安全装置付きガスメーターを取り付けているマンションでは、震度5強相当以上の強い揺れを感知すると自動的にガスが遮断されるようになっています。ガス漏れを防ぐための措置が採られているのです。

また、意外と盲点なのが水道でしょう。マンションでは地中に埋設された水道本管からの水を、揚水ポンプを使って各戸へ配水しています。そのため、このポンプが停電によって停止してしまうと配水ができなくなり、蛇口をひねっても水が出てこなくなります。

水道が停止すれば、当然、トイレも使用できなくなります。排水管は機能していますので、手作業で便器に水を流して汚物を排泄することは可能ですが、ただ、それなりの水量が必要になります。浴槽に残り湯を常時、溜めておくなど十分な汲み置きがないと対応は難しいでしょう。

国土交通省は「余震は次第に少なくなってきていますが、今後もまれに大きな余震が発生することがあります。規模の小さい地震でも、沿岸域や陸域で発生すると、場合によっては最大震度5弱以上の揺れとなることがあります」と注意を呼びかけています。

「備えあれば、憂いなし」—— 常日頃からの準備が、いざという時に役に立ちます。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。