東京の液状化予測図
まず、液状化予測図から。「東京都土木技術支援・人材育成センター」では「東京の液状化予測図」をそのホームページに掲載している。ここでは、地図上を「液状化が発生しやすい地域」「液状化の発生が少ない地域」「液状化がほとんど発生しない地域」の3分類に色分けしてあらわしている。「東京の液状化予測図」は、「東京低地の液状化予測図」(昭和62年作成)と「東京港埋立地盤の液状化予測」(平成3年度)と「武蔵野台地・多摩丘陵の液状化予測」(同8年度)の3つの異なる調査を合体させて出来上がったものであり、それぞれどの調査によるものかも色の濃淡で表示をしている。
同センターによれば、「東京の液状化予測図」は後述する「地盤情報」に基づいて作成されたものだそうだ。埋め立て地の江東区東雲や有明などでは3色が入り組んでいて、たとえ同一エリア内でも液状化の発生の予測が場所ごとで異なることがわかる。地質の実態を忠実に反映したからだとしているが、調査地点間をつなぐ部分は推測も含まれているそうだ。
東京の地盤
次に「東京の地盤」。同センターのホームページでは行政区別に「東京の地盤のなか」を調べることができる。例えば「千代田区」を開くと60近い町名が一覧で表示される。そのうち50弱の町名にリンクでき、細部の地図が表示。例えば「飯田橋」では7地点がプロットされていて、その場所の地質柱状図を閲覧することが可能だ。地質柱状図は、地盤の地質が深さとともに表示されているのだが、図の隣にはN値が併記されている。そのためマンション建設の際の支持層にあたる50の深度を知ることができる。地図上で見れば近い場所でも、地質のずいぶんと異なっているケースも少なくなく、液状化予測図の細かな境界もこれを見れば理解できよう。
ちなみにN値とは「標準貫入試験」と呼ばれるボーリング地質調査のこと。具体的には、63.5kgの重りを76cmの高さから落下させ、棒状の杭を30cm地盤に打ち込むのに要する回数である。マンションの場合、N値50が5m以上続く地層が支持層となる。