故宮博物院(紫禁城)!北京の必見中の必見スポット
中国を代表する歴史遺産・故宮博物院
龍をかたどった排水口
あまりにも有名な故宮を紹介することはとても難しいのですが、このページではリピーターの方にも新しい発見をしていただけるよう、細部まで深く掘り下げてみました。ガイドブックでは紹介されていないコアな情報満載です!
インデックス
- 故宮博物館・紫禁城見学前に知っておきたいこと
- 故宮チケット 2017年10月からすべてがネット販売に
- 故宮博物院と紫禁城、台湾の國立故宮博物院との関係
- 世界最大の宮殿・故宮(紫禁城)
- 故宮博物院の未来図
- 宮殿の部屋数9999.5部屋の伝説
- 建物の等級がわかる「走獣」とは?
- 故宮博物院おすすめの「音声ガイド(自動講解器)」
- 故宮(紫禁城)の構造「左右対称、外朝・内廷」
- 故宮(紫禁城)の見所「12エリア」
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■故宮博物院(紫禁城) 1987年、世界遺産に登録
住所:東城区故宮博物院
TEL:010-6513-2255
入場&料金:4月1日~10月31日 8:30~16:00、60元/11月1日~3月31日 8:30~15:30、40元(身長120センチ以下の児童は保護者同伴で無料)
月曜日閉館(祝日と、7月1日から8月31日までの夏季休暇を除く)
※鐘表館と珍宝館は別途各10元
北京・故宮博物館見学前に知っておきたいニュース
地下鉄の駅から故宮まではものすごい人だかり。夏や秋のトップシーズンや週末はかなりな行列になる
地下鉄「天安門東(西)」から天安門前に行くまでにセキュリティチェックがあり行列ができている。ここを抜けて天安門をくぐって故宮に入る前にもう一度セキュリティチェックがある
2011年7月より故宮観光は南(午門)から入って北(神武門)から出るという一方通行になりました。以前のように北からの入場&チケット購入はできないので要注意!2013年5月より、故宮内の灰皿が全撤去されて全面禁煙に。喫煙者は厳重注意を受け、場合によっては警察におくられることもあるので注意してください。
2015年6月13日より、1日8万人の人数制限をスタートし、入場券を実名制にすることとなりました。これは、あまりの混雑によって生じる被害を考えてのことです。つまり、故宮を見学するためには、パスポート携帯が必須となるわけです。それでも2018年一年の入場者数は1700万人を突破!世界で最も入場者数の多い博物館となりました。
また、2019年2月19日(元宵節)と20日の二日間、ライトアップされた幻想的な故宮を満喫できる「故宮の夜間開放」が実施されました。次回の夜間開放はまだ未定ですが、2020年の元宵節(2月8日)に再度開放されるのではと期待が集まっています。
故宮チケット 2017年10月からすべてがネット販売に
午前チケットと午後チケットとは?
故宮入場券購入ページ。青い囲みの日にちと上午(午前)下牛(午後)を選び、囲みの右下の「快速購売」をクイック。次の場面でパスポート番号や氏名を入力する
事前に公式HPでチケットを購入している人は、午門前に設置されたセキュリティチェックでパスポートを提示すればOK
一日8万人の人数制限があるため、5月1~3日の労働節や10月1~7日の国慶節の休みはもちろん、トップシーズンは直接行っても入れないことがあります。混雑が予想される時期に出かける時は、故宮ホームページ入場券購入ページ(一週間前から予約可能)で、事前購入をしておくのがベストなのですが、中国の携帯番号が必要だったり、支払いなどの関係で海外在住の外国人には容易ではありません。
当日も基本、QRコードをスキャンして電子決済で購入するのがメイン
当日チケットについては午門右端にあるインフォメーション(総合服務窓口)付近にいるスタッフに聞いてみよう
そんなハードルの高いチケットのネット購入なのですが、2017年10月から現場の窓口でのチケット販売が中止され、すべてをネット販売に切り替えることとなりました。もちろん、外国人やオンライン決算ができない人に対するフォローはあります。当日、現場のスタッフが総合サービス窓口まで案内してくれて、サービススタッフがチケット購入を代行してくれます。
ただし、夏~秋のトップシーズンや週末などは当日行ってもチケットがすでに売り切れていることがほとんど。ホテルのスタッフや中国人の知り合いに事前予約をしておいてもらうのがベストです。
故宮博物院と紫禁城、台湾の國立故宮博物院との関係
獅子
そこから人間界の中心、皇帝の住む所として「紫禁城(しきんじょう)」と名づけられました。“禁城”とは庶民が近づくことを禁ずるという意味です。明皇帝が南京から北京へ遷都した1421年から、1911年の辛亥革命によって近代中国の幕開けが成されるまで、政務の中心地でした。
翌年1912年、ラストエンペラーである愛新覚羅溥儀が退位し、正式に清朝が滅亡したわけですが、溥儀はその後1924年まで紫禁城に住み続けていました。紫禁城が故宮博物院と名前を変えたのは溥儀が紫禁城を退去した翌年の1925年。「いにしえの宮殿」という意味を込めて命名されました。
その後、中国は第二次世界大戦を経て、国共内戦が激化していきます。そして1949年、形勢が不利になってきた中華民国政府が、故宮博物院から2972箱に及ぶ所蔵品を精選して台湾へと運んだのです。それを展示する場所として作られたのが、台北市の國立故宮博物院。つまり、紫禁城は外枠だけが北京に残され、その中を彩っていた財宝の多くが海を渡って行ったというわけです。
世界遺産にも登録された世界最大の宮殿・故宮(紫禁城)
城壁の四隅にある角楼は外部から宮殿を守る防衛施設だった
乾清宮の玉座
南北(長さ)961メートル、東西(幅)753メートル。周囲は高さ10メートルの城壁が聳え、更にその外側には幅52メートルの堀に囲まれています。
故宮博物院の未来図
公開エリアを現在の52%から85%に!
未公開エリアの扉が開かれる日はそう遠くない
2015年8月、それまで非公開だった慈寧宮区を含む「后妃区」の一般公開がスタート。続いて、故宮最大の仏堂「雨花閣」などの公開が予定されています。近い将来、未開放エリアに足を踏み入れられることになりそうです!
宮殿の部屋数9999.5部屋の伝説
養心殿にある皇帝の寝台
ただ、今現在も9999.5部屋あるかといえばそうではありません。諸説ありますが、およそ9000弱と言われています。また、ここで言う“部屋”とは壁で仕切られた空間という現在の意味とは異なり、四本の柱で囲まれた空間を表しています。
建物の等級がわかる「走獣」とは?
太和殿の走獣。右から騎鳳仙人、麒麟、鳳凰、獅子、海馬、天馬、押魚、サン猊、カイ豸、斗牛、行什、旁吻
故宮博物院おすすめの「音声ガイド(自動講解器)」
音声ガイド貸し出し口
■音声ガイド「自動講解器」
場所:午門で貸し出し、神武門で返却
料金:40元、デポジット100元
故宮(紫禁城)の構造「左右対称、外朝・内廷」
故宮平面図。すべての建物が南向きなので南から見学するのが一般的
※故宮地図は故宮博物院HPを参照ください。
故宮(紫禁城)の見所「12エリア」
故宮にある16エリアのうち公開されているのは白くなっている12エリアのみ
閉ざされた空間がまだまだある
>>>今後の公開エリア拡大については前ページの「故宮博物院の未来図」を参照
ここでは、現在公開されている12エリアを南から順番に説明していきます。ガイドブックなどでは説明されていないコアなスポットも網羅されているので、故宮経験者にとっても面白い内容になっていると思います。ただし、このすべてを廻るには少なくとも丸二日は必要。日程制限のある方には別途「故宮観光一日コース」、「故宮観光半日コース」、「故宮観光2時間コース」をそれぞれ用意してありますので、そちらを参考にしてください。
城池区
故宮をぐるりと囲む城壁と堀の部分■午門(明永楽期創設)
午門
神武門
■神武門(明永楽期創設)
皇后主催の儀礼「先蚕」のために皇后たちが外出する際や、清朝皇帝の妃を選ぶ試験「選秀女」のためにお妃候補が入城する際などに使われた門。中央は皇帝・皇后専用で、妃や官吏は両脇の門を使っていた。1924年、溥儀が故宮を離れる時はこの門から退出した。午門、神武門のほか、現在は閉ざされている東の東華門、西の西華門という二つの城門が存在する。
■角楼
城壁の四隅に聳える防衛施設。
文華殿区
故宮外朝の東側に位置するエリア。文武の文をつかさどる。■文華殿(明早期創設/走獣7匹※仙人、旁吻を含まず、以下同様)
文華殿
武英殿区
故宮外朝の西側に位置するエリア。文武の武をつかさどる。■武英殿(明早期創設/走獣7匹)
武英殿
橋の中央にいる猿のポーズの獅子
■断虹橋
大理石の橋。上記の武英殿へ行く途中の右側にある。橋の半分からは立ち入り禁止になっているが、サルのポーズをとる珍しい獅子の像はギリギリ見ることができる。
前三殿区(外朝)
太和門
■太和門(清光緒期創設/走獣7匹)
大和殿で式典が行なわれる際、下級の官吏はこの門の外で皇帝に拝礼した。
■太和殿(清康熙期創設/走獣10匹)
太和殿
中和殿
太和殿手前の石段を上ったところには「日時計」、「亀の像」、「鶴の像」などが置かれているのでお見逃しなく!
■中和殿(明嘉靖期創設/走獣7匹)
大和殿で式典が行われた際の控えの間。ここで皇帝が大臣から祝辞を受けたり休憩したりした。
■保和殿(明嘉靖期創設/走獣9匹)
保和殿
■体仁閣(清乾隆期創設/走獣7匹)
清代康熙帝時代、民間人を登用する試験・博学鴻詞科が行なわれた場所。乾隆期以降は緞子の倉庫として使われた。
■弘義閣(明永楽期創設/走獣7匹)
体仁閣と対を成す建物。金銀器具の倉庫として使われていた。
奉先殿区
皇帝が先祖の霊を祭るエリア。※入館時に別途チケット購入(10元)
■奉先殿(清順治期創設/走獣9匹) 現「鐘表館(時計館)」
奉先殿
斎宮区
斎殿区の門
■斎宮(清雍正期創設/走獣5匹) 現「古代青銅器館」
大きな式典の前には皇帝はここで斎戒(祭祀を前に心身を清めて禁忌を犯さないようにする)を行なった。
養心殿区
皇帝の寝宮。ラストエンペラー退位の書が発布されたエリア。■養心殿(明嘉靖期創設/走獣7匹)
養心殿
養心殿内部
後三宮区(内廷)
乾清門。ここから北側が皇帝や妃の生活区となる
乾清宮
■乾清門(明永楽期創設)
瑠璃照壁という装飾が特徴的な内廷の正門。清代、皇帝はここで政務の報告を受けたり、採決を下したりしていた。現在は売店やカフェなどの休憩所がある。
■乾清宮(清嘉慶期創設/走獣9匹)
交泰殿
■交泰殿(清嘉慶期創設/走獣7匹)
皇后の冊立の儀式が行われた場所。皇后は元旦、冬至、皇后誕生日の祝賀をここで受けた。
■坤寧宮(明万歴期創設/走獣7匹)
坤寧宮
■坤寧門(明代創設)
後三宮の北門。ここから故宮最北部の御花園に入る。
東六宮区
東六宮の通路
敬仁宮
延禧宮
■景仁宮(明永楽期創設/走獣5匹) 現「古代青銅器陳列館」
康煕帝の出生の地。悲劇の后・珍妃が住んでいたことでも知られる。
■延禧宮(明永楽期創設)
鐘粹宮
明清を通じ、皇后以外の妃や女官が居住する場所であった。数回の火事に見舞われた後、光緒帝(ラストエンペラーの一代前)の皇后・隆裕皇太后が鉄筋コンクリートの西洋風宮殿に作り変えようとしたが、未完成のまま財力が尽き、清国滅亡となった。
■承乾宮(清順治期創設/走獣5匹) 現「陶器館」
順治帝の愛妃董小鄂の寝室として使われていたことで知られる。
■永和宮(明永楽期創設/走獣5匹) 現「陶器館」
景陽宮
■鐘粹宮(明永楽期創設/走獣5匹) 現「文房四宝館」
明代の一時期、皇太子の宮殿として使用された。咸豊帝の正皇后・慈安皇太后(東太后)が住居していたことで知られる。
■景陽宮(明永楽期創設/走獣5匹) 現「明清工芸美術館」
明代は他の宮殿と同じく妃たちの住居だったが、清代に蔵書室に改築された。
西六宮区
西六宮の通路
儲秀宮
■儲秀宮(明永楽期創設/走獣5匹)
西太后が暮らしていた場所として有名。西太后50歳を祝い大金を投じて修築したものが今に伝わっている。
■長春宮(明永楽期創設/走獣5匹)
後宮には皇后を表す鶴が多くある
■永寿宮(明永楽期創設/走獣5匹)
雍正帝以降、皇帝の寝宮となった養心殿に隣接することから、愛妃の住居する場所だった。
■咸福宮(明永楽期創設/走獣5匹)
西六宮の中で一番高さのある建物。嘉慶帝が乾隆帝逝去の際に、咸豊帝が道光帝逝去の際に喪に服した場所としても知られる。
■翊坤宮(明永楽期創設/走獣5匹)
翊坤宮
■太極殿(明永楽期創設/走獣5匹)
妃たちの居所だったが、清朝晩期は西太后や隆裕太后が住んでいた。
寧寿宮区
寧寿宮区への入り口
※入館時に別途チケット購入(10元)
■九龍壁(清乾隆期創設)
九龍壁
皇極殿
■皇極門(清乾隆期創設)
寧寿宮区の正門。
■寧寿門(清康熙期創設) 現「絵画館」
皇極門北側に続く寧寿宮区第二の門。
■皇極殿(清康熙期創設/走獣9匹)
乾隆帝時代の楽器
■寧寿宮(清康熙期創設/走獣9匹)
現「珍宝館/銘刻館」
乾隆帝が隠居して太上皇となった後、居住した寝殿。
■養性殿(清乾隆期創設/走獣7匹)
暢音閣
■暢音閣(清乾隆期創設/走獣5匹)
故宮最大の戯楼。上から福台、禄台、寿台と呼ばれる三層構造になった舞台。音響のために井戸を5つも掘るなど様々な工夫がなされている。西太后60歳の祝賀会の折には、ここで連日京劇を楽しんだとされる。
■楽寿堂(清乾隆期創設/走獣5匹)
珍妃井
■頤和軒(清乾隆期創設/走獣5匹)
暢音閣と廊下で工の字型につながっている。
■寧寿宮花園(乾隆花園)(清乾隆期創設)
乾隆帝が愛した庭園。
■珍妃井
光緒帝が最も寵愛した珍妃が、義和団の乱のどさくさにまぎれて投げ込まれて殺されたとされる井戸。
御花園区
御花園
欽安殿
■欽安殿(明代創設)
御花園区のメイン。道家の天帝・玄天上帝を祀る神殿。
■絳雪軒(清乾隆期に修復)
養性斎
■養性斎(清乾隆期創設)
清朝滅亡後、溥儀の帝師(英文教師)として招聘されたイギリス人のレジナルド=ジョンストンが居住した場所。
■順貞門(明代創設)
御花園の北門。
番外編・ラストエンペラーの赤い壁の通路
東筒子
こちらが「東筒子」で、溥儀が自転車で走って遊んだ場所だと言い伝えられています。人の少ない早朝にここを歩いていると、ふと赤い壁の向こうからラストエンペラー・溥儀が自転車に乗って走ってきそうな錯覚さえ覚えます。
故宮博物院の説明はここで終わりですが、みなさん、いかがでしたか? 故宮は本当に奥深く、北京歴15年以上のガイドも行くたびに新しい発見を味わうことができます。そして公開エリアも少しずつ広がりつつあります。故宮未体験の方はもちろん、以前訪れたことがあるという方も、ぜひこの機会にもう一度足を運んでみてください!
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