PTSD(心的外傷後ストレス障害)に注意する

PTSD

PTSDの可能性も考える

被災した従業員がショックで一時的に落ち込み、ふさぎこむのは自然な反応です。しかし過度に悲観的になる状態が1ヶ月以上継続している場合は、専門家(精神科医、臨床心理士)に相談するようにアドバイスするといいでしょう。急性ストレス反応(一時的な気分の落ち込みなど)を通り越して、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥っている可能性があるからです。

PTSDは、阪神大震災以後に日本でも有名になった言葉です。災害や事故後など大きな衝撃を経験した後で、それが心の傷(心的外傷)となり恐怖や不安が持続し、現実の社会生活に支障がでます。

PTSDになると神経が高ぶり、過覚醒の状態(些細な刺激に対して過敏な状態)が続き、災害や事故の生々しい状況が繰り返し思いだされます。災害時の状況を鮮明に再体験したり悪夢に悩まされる現象は、一般に「フラッシュバック」と言われます。

またPTSDの元となる「心的外傷」はトラウマと呼ばれます。トラウマの原因は災害、事故、戦争、性的暴行、暴行、監禁、死傷事件の目撃などストレスが極めて強い出来事です。日常的には経験しない悲惨な出来事を経験することで、強い恐怖や不安、無力感といったストレス反応を引き起こします。

過重労働となっている従業員のバーンアウトに注意する

震災直後から被災従業員などに対する対応、取引先や顧客との対応、生産復興・事業の立て直しなどで奮闘している管理職や一般従業員も要注意です。震災後の混乱の中で、今まで経験したことがないような判断や運営を任され、相当強いストレスを蓄積させています。どんなにタフな人でも、そろそろ疲れが出てくる頃です。

一時的な多忙は問題ありませんが、それが継続すると精神的にまいってしまいます。これがバーンアウト(燃え尽き)です。バーンアウトとは、対人関係を含めいろいろなことに気を使い、疲れ切ってしまい無気力になった状態です。

バーンアウトは「理想に燃え使命感にあふれた人を襲う病」とも言われ、今までバリバリやっていた人でも、突然強い情緒的な消耗感におそわれます。やってもやっても改善されない状況の中で、達成感を感じられず燃え尽きてしまうのです。

職場の上司は、必要以上に前のめりになっている部下に気づいて、仕事から距離を置き、休養を取るようにアドバイスして上げてください。バーンアウトになる人は、誠実で他人のために深く関わろうとする行動傾向の方が多く、どうしても働きすぎになってしまいます。