震災によるメンタル不調者発生に注意する

メンタルリスク

時間の経過でメンタルリスクが顕在化

東日本大震災が起きてから1ヶ月以上が経過しました。被災地では復興が少しづつ進んでいるようです。しかし一方で、時間の経過とともに従業員の精神面でのリスクが顕在化してきています。

直接の被災者はもちろんのこと、被災地の従業員は大きなストレスを感じています。また被災地以外の従業員も、連日の新聞やテレビの報道で強いストレスにさらされています。

ストレスを心の隅に押し込んでがんばっていた従業員も、震災後1ヶ月が経過し、疲れとともに蓄積されたストレスに耐えきれず、体調を悪化させるケースが増えています。

被災地の従業員はその典型です。震災直後から早期の生産・操業再開の指示が出され、インフラが不完全な中、長時間労働をしながらそれに応えようと頑張り続けています。

直接の被災地以外の従業員でも、震災直後の従業員の安否確認、被災従業員への対応、取引先との緊急対応、輪番停電下での業務遂行計画の立案など、間断なく与えられる新しいミッションでストレスを高めています。

一般の従業員も同様です。福島第一原発事故にともなう社会不安、いつまでも続く余震で大きなストレスを感じています。

被災した従業員へのケアと対応法

最もメンタルリスクが高いのは、直接被災した従業員であることは言うまでもありません。震災で家族や住居、財産を失ったショックは相当大きいため、同じ会社の人でさえなかなか声をかけられなかったのではないでしょうか。

被災した従業員に対しては、「つらかった体験を何でもお話し下さい」と積極的に話を聞くスタンスは当面逆効果となります。震災の体験を思い出し、心の傷を広げてしまうからです。震災体験を話させる行為が有効なのは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療法などごく一部の場合だけです。

「あなたのお気持は良く分かります」などの言葉は禁句です。被災した従業員の気持ちが、そうでない人に分からないのは明らかだからです。

「早く立ち直ってください」「震災後1ヶ月も経ったのだから、そろそろ自立しろ」といった無遠慮な発言も控えましょう。当面は人間関係に配慮し、相手を傷つけないよう留意が必要です。

「大変でしたでしょう」と温かく共感的な言葉がけを行い、被災した従業員に寄り添い、できるだけバックアップするというスタンスを示すことの方が大切です。状況が落ち着き、本人が話したい様子を示した時は、静かに傾聴するというのが自然です。当面はそばで「見守る」というのが一番の支援です。