和菓子/羊羹・最中・甘納豆

「種亀」最中種屋さんとは?(2ページ目)

最中種(最中の皮)は、ほとんどの場合、和菓子店ではなく専門の最中「種屋」が作ります。縁の下の力持ち、種屋さんについて知らない人は多いのでは。そこで今回は、東京・浅草の老舗種屋「種亀」を訪ねてきました。最近になり、一般向けの小売りも始めたそう。最中種の手軽な楽しみ方もたっぷり教わって来ました!

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

最中種は「もち米」でできている

「最中種」作り

「最中種」作りの1工程。餅を切り、リズムよく型へ入れる(写真提供;種亀)

最中種をよく見ると、長方形の跡が見えます。実はこれ、餅を型に入れた跡。つまり、最中種は餅を焼いたものなのです。 

「最中種」作り

「最中種」作りの1工程。焼きあがり(写真提供;種亀)

「種亀」では、最中粉(もち米の粉)を水と混ぜて蒸し、こねて餅にして伸し、細長い短冊状に切ります。これをさらに小さくカットしながら、焼成機に取り付けた金型にリズムよく入れます。金型に入った餅は、上下バーナーの機械の中を約3分半かけて一周するうちに型の大きさに膨らみ、ようやく最中種になります。ほとんどの工程が職人さんの手作業です。 

「種亀」最中種

「種亀」最中種の完成。(写真提供;種亀)

私が種亀を訪ねた日、外は激しい雨でした。「湿気に弱いので」としっかりと閉じられた最中種の袋をほどくと、香ばしく焼けたもち米の香りがふわり。力強い香りに圧倒されつつ口に運ぶと、もち米の旨味がしっかり感じられました。これほど風味ある最中種は初めて。「半年は持ちますが、2~3カ月のうちに召し上がっていただくのが一番」最中種にも鮮度あり。1枚1枚丁寧に焼かれた上、出来立てとくれば、ひと味もふた味も違うはずです。

ともすると、最中種はパリパリとした食感ばかりが重視されがちですが、鼻に抜ける香りにこそ、真味があるように思います。

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