物流を支えるバーコード

物流を支えるバーコード(GS1事業者コード)

物流を支えるバーコード(GS1事業者コード)


コンビニにカップヌードルを買いに行くと、店員がバーコードをPOSで読み取り精算します。バーコードにはカップヌードルの商品アイテム番号がついていて買った商品がカップヌードルだと分かります。物流センターからコンビニへはカップヌードル単体でなく箱で送られます。箱の中身がカップヌードルとわかるように箱にもバーコードがついています。物流ではいろいろな媒体でモノが流れます。どうやって物流管理しているのかみていきましょう。
 

商品流通にはJANコードが必須

スーパーやコンビニで買い物をすると商品についているバーコードをPOSで読み取りますが、このバーコードはJANコードと呼ばれています。JANコードとはJISにより規格化されたバーコードで、海外ではEAN(イアン)コードと呼ばれ互換性があります。つまりJANコードをつけると全世界で利用可能。商品にJANコードをつけることをソースマーキングといいます。自社商品を初めて作り流通にのせようと思ったら、JANコードをつけなければなりません。でないと取引相手に「JANコードがついていないと取引できません」と言われてしまいます。

JANコードは国コード、メーカーコード、商品アイテムコードから構成されています。初めてJANコードをつけるにはGS1事業者コード(JAN企業コード)を取得しなければなりません。近くの商工会議所、商工会で「はじめてのバーコードガイド」を無料配布していますのでこれをもらってきます。巻末の登録申請書に記載し、流通システム開発センターへ申請。するとGS1事業者コード(JAN企業コード)が発行されます。

料金は業種、年商規模によって異なっており製造業で年商が1億円未満なら登録申請料(3年分)12,960円ががかかります。GS1事業者コード(JAN企業コード)は貸与の形になっており3年ごとに「更新手続き」が必要です。またインターネットで申請することもできます。

【関連サイト】
流通システム開発センター(GS1事業者コードの新規登録手続き)

各企業が自社でだぶらないよう商品に商品アイテムコードをつければ、商品につけられるJANコードは世界に一つだけになります。そのまま全世界で利用することができます。同じ商品が同じ価格で売られているとは限りませんので、JANコードは商品の識別だけを行い価格はバーコードに入っていません。POSでJANコードで読み込むとストアコントローラ(商品コードと価格がはいっている)というコンピュータに価格を問い合せ、計算します。このやり方をPLU(プライス・ルック・アップ)と呼んでいます。

道の駅で産直野菜がバーコード付きで売られていますが、ほとんどの場合JANコードではありません。道の駅の売上管理だけでしか使われず外へ商品が流通しないため「生産者+農産商品+価格」の形でバーコードが作られています。メーカーでなく、店内でバーコードをつけますのでインストアマーキングと呼びます。各社から用途にあわせ、いろいろなバーコードプリンターが販売されています。
 

段ボールの中身を識別するにはITFコードを使う

商品をスーパーや物流センターへ送る場合、単独で送るわけではなく段ボール、ケースに入れ集合包装の形で送ります。物流単位が段ボールとなるので、段ボールにはカップヌードルが入っていると分かるためにバーコードをつけます。それがITFコード。

段ボール単位での入出荷管理、棚卸など在庫管理で活用しています。ITFコードはJANコードが基本で1桁のインジケータをつけたものです。インジケータとは箱に入っている入数などを表したもの、例えばゼロなら洗濯機など大型商品の1個入り、つまり単品梱包を示します。1~7は企業が自由に使えますが、多くの企業では箱に10個、20個入っているなど入数を表すのに使っています。ITFコードはJANコードをそのまま使いますので、企業(メーカー)コードもそのまま。新たに付番してもらう必要はありません。

日本では商品につけられたJANコードと箱のJANコードが同じとなる一致型が基本ですが、国際標準では不一致型があり違っていても大丈夫。不一致型に対応するにはPOSで参照する商品マスターに商品のJANコードと集合包装用にした商品コードの両方を登録し、ヒモ付しておかなければなりません。

自社内で物流システムが完結している場合、ITFコードは使われません。例えば宅配便なら各社独自のコードを使っています。ITFコードの代わりになるのがお問い合わせ番号。伝票に数字で記入されているのと同時にバーコードに印刷されています。お問い合わせ番号を荷物に貼ると取扱店や物流拠点を通るたびにPOS端末で読まれ、顧客が荷物追跡できるようになっています。
 

SCMラベルとASNで検品処理を簡素化

企業間取引で大変なのが検品作業。コンビニ、物流センター、取引先で考えると取引先から出荷する時の検品、物流センター入荷時の検品、コンビニ配送時の検品と場所が変わるたびに検品しなければならず手間と労力がかかります。検品作業を簡素化するために考え出されたのがSCMラベルとASNです。

コンビニからEOS(電子発注システム)を使って取引先にオンライン発注を行います。取引先では注文があった商品をスーパー別に納品用オリコン(折り畳みコンテナ)やカートンに入れます。この時、オリコンやカートンにSCMラベルをつけます。SCMラベルには納入店舗、取引先コード、納入指定日、出荷連続梱包番号などがバーコード化されています。

SCMラベルはASN(納品明細データ)と一緒に使います。取引先でオリコンにいろいろな商品を混載する時、商品ごとのJANコードを読み取り、段ボールに入っているのならITFコードを読み取って納品明細データ(ASN)を作ります。事前にオンラインで納品明細データを物流センターやコンビニへ連絡。物流センターへオリコンが届くと貼られたSCMラベルを読み取って、ASNと照合しオリコン単位で検品します。コンビニではコンテナ数のみを確認することで検品を効率化、リードタイムを短縮します。

送る荷物はこんな内容と事前に送ることで、箱を開けなくても検品処理を簡素化するために考え出された仕組みです。ただし長年のつきあいで信頼関係があり定期的に発注を行う場合です。初めての納入業者は、まだまだ信頼関係が築けていませんので箱を開けてきっちり検品します。
 

14桁のGTIN(ジーティン)コードが世界標準に

グローバル化が進んだためモノの物流が国内にとどまらず海外まで流れるのが当たり前になってきました。そこで世界共通で使えるよう標準化が行われています。アメリカでは12桁のUPCコードが使われ、国際的には13桁のEANコード(JANコード)が使われてきましたが、何とか統一しようということで14桁のGTIN(国際取引商品コード)ができました。新しいコード体系になったわけではなくJANコードの前にゼロを付け加えて14桁にすればGTINコードとなります。従来通りJANコードを使っていれば問題ありません。

GTINコードの目的は世界中の企業が同じルールでGTINを利用することでサプライチェーンの効率化や正確性のメリットが生まれるところにあります。オンライン受発注(EDI)ではGTINコードが標準になりますし、電子タグに書き込まれる商品情報もGTINになります。

【関連記事】
ITFコードは14桁ですが国内では2桁のインジケータを使いたいという物流事情にあわせて16桁も使われていました。14桁に統一されたので16桁のITFコードは2010年4月以降、原則として使えなくなりました。
 

他にもいろいろなコードがある

カップヌードルにJANコードを貼るには充分なスペースがありますが化粧品ケースや医療用ケースなど小物商品では貼るスペースがありません。そこでJANコードと比べ10分の1以下の省スペースで使えるバーコードとして登場したのがGS1データバーです。例えばフルーツにバーコードをつけることも可能で医薬品では既に使われています。

これ以外にも山のようなバーコードが開発されています。例えばスマホなどで使われるQRコード(2次元コード)は、縦、横二方向に情報を持たせ情報量を飛躍的に増加させました。株式会社デンソーウェーブが開発したコードで自動車部品の発注・検品などに使われ、携帯電話に採用されたことで普及しました。国際規格になり、韓国などでも使われ始めましたが、よく使われているのは日本です。

3次元バーコードの開発も進んでいます。3次元といっても立体になるわけではなくカラーで3次元化します。簡単に言えば赤に青を混ぜると紫になりますので、紫で赤と青の2つの情報が伝えられ、これで情報を多重化できます。

様々なバーコードが開発されていますが、市場に受けいられられデファクトスタンダードをにぎらなければ普及しません。数多くの企業がしのぎを削る厳しい市場です。

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