マンション事業のお金の流れ
マンション事業は、下記の表の〈1~8〉のような流れで行われます。その流れにしたがって、マンションデベロッパーは、まず〈1〉・〈2〉事業に必要な用地所得のために、土地代金を銀行から借り、用地を仲介した不動産会社へ手数料を支払います。また、〈4〉建設会社への工事費も工事着手時に一時金を銀行から借り入れて支払います。そして、〈5〉購入者から受け取った物件価格の20パーセントの代金を、〈6〉マンションが完成したら工事費の残金にあてます。〈7〉・〈8〉で契約住戸に対して購入者から支払われる代金は、銀行への利息、元本の返済にあてられ、手元に残ったお金がマンション事業の粗利となるわけです。
事業の流れとお金の流れ
マンションは青田売りでないと資金繰りがうまくいかない
このようなお金の流れを見ていくと、他の多くの商品と異なり、マンションが完成前に売られる、いわゆる青田売りにならざるを得ない理由が分ります。つまりマンションの完成後に、建設資金の支払いや用地資金の元本を返済するには、予め、購入者から物件代金を回収しておかなければ、支払いができない、というデベロッパー側の事情によるものなのです。
買う側にとってみれば完成後に実物を自分の目で確かめて買いたいところですが、売れ残りではなく新規販売時に、そのような販売手法がとれる、自己資金が潤沢なデベロッパーはほとんど存在しないのです。
次のページでは、さらに深くお金の流れを見ていきましょう。