シニア世代をターゲットとした、普通の分譲マンションはありますか?
最近、シニア世代をターゲットとした普通の分譲マンションはありますか?という質問をひとりといわず、数人方々から受ける機会がありました。まだ、そうしたマンションは、販売されていません。理由は、高年齢層だけにターゲットを絞った商品企画、販売戦略は売れ行きリスクが高まるため、不動産会社は敬遠しがちだからです。一方、日常生活に不安を持っていて、ゆくゆくは介護サービスが受けられるシニア向けの分譲マンションは、ここ数年で結構積極的に、関西圏(東京圏では見かけません)を中心に販売されるようになりました。一般的な介護付有料老人ホームは数千万円単位の高額な入居一時金を支払うものの、利用権方式なので、子供が相続できないため、親の入所に反対する子供が多い、という関西の合理的な土地柄によるものだそうです。
東京圏では、高齢者専用賃貸住宅が登場
東京圏では、シニア向けマンションといえば、これから、相当数の高齢者専用賃貸住宅が登場してきます。これは、これまでの介護付有料人ホームの入居一時金が高くて入所できない、という高齢者の方々の声を受けて、つくられるようになった賃貸マンションです。一人、もしくは夫婦二人で普通の暮らしができ、トイレ、お風呂、キッチンがついたバリアフリーなお部屋に暮らしつつ、食事作りなどの日常生活ができなくなったら、マンション内にある共用食堂を利用し、賃貸マンションの管理スタッフに相談して、外部の医療・介護サービスを活用するというものです。
普通の分譲マンションでは、終の棲家にならない
これからマンションを買おうとしている方々にとっては、遠い将来のことなので、シニア向けマンションなんて関係ないと思われるかもしれませんが、普通の分譲マンションは、長寿化時代の私たちにとって、もはや終の棲家にはなり得ません。夫婦のいずれかが先立ち、ひとり残された妻もしくは、夫が一人で自立した暮らしが出来なくなった途端に、次なる住まいの選択を迫られることになります。そして、いざ、そうなったときには、色々なシニア向けマンションや施設の情報収集をし、現地見学をし、自分に合った物件に絞り込んでいくための、気力、行動力、そして判断力は既に低下していて、自分ひとりではどうにもならない。という状況が待っているのです。
日頃から、高齢になったときの自分の住まいについても、祖父母、両親など周囲の人たちの暮らしぶりなど注意深く観察しつつ、頭の隅でちょくちょく考えておくことをお勧めします。いざというときのベストな選択のために。
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