ネグレクトを防ぐために大切な2つのこと 

子育てで追い込まれてネグレクトをしてしまう前に、次の2つのことを知っておいてほしいと思います。

■ 話をしっかり聴いてもらうことは大切
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抱えている気持ちをしっかり、まるごと受け止めてもらう体験はとても大切

実際に、ネグレクト加害者を前にしたとき、世間の人々はどんな言葉をかけるでしょう。「親のくせに」「自分で産んでおきながら」こんな自己責任を問う言葉が飛び交うのではないでしょうか。

たしかに、養育の義務を放棄する母親の責任は重く、その罪は甚大です。しかし、正論や説教は健康的な精神状態の人には効果を発揮しますが、追いつめられて出口を見失っている人たちには、刃でしかありません。

むしろ切実な心境にこそ、フォーカスすべきです。「そこまで追い詰められていたんだね」——こんな言葉を投げかけられれば、張り詰めていた心は氷解していくでしょう。

そもそも子育てで追いつめられる状態の人は、誰かに悩みを聴いてもらうような経験をほとんど持っていないのではないでしょうか。友だちや家族など身近な人のなかには、きっと適当な聴き役などいないのでしょう。

そこで頼れるのは、やはり社会資源なのです。地域の保健センター、子育て支援センター、男女共同参画センター、女性センターなどに育児の悩みについての対面、電話での相談窓口が設置されています。住んでいる地域の相談窓口を検索して、まずは電話をしてみるといいでしょう。相談対応の教育を受けているプロなら自己責任論を押し付けず、まずは心情を受け止めてくれるはずです。

また厚生労働省では、「児童相談所全国共通ダイヤル」を設置しています。固定電話の場合は発信された電話の市外局番から、携帯電話では住まいの郵便番号を入力すると、地域の児童相談所に転送されます。児童虐待につながりそうな危機を感じたら、とにかくまずは電話をすることです。

「児童相談所全国共通ダイヤル」 0570-064-000

■ 子育ては1人ではできない
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多くのつながり先を持てば、解決への糸口はきっと見つかる

親には子どもの養育義務がありますが、そもそも子育ては1人だけでできるものではないはずです。そこで、親になったら「1人きりになってはいけない」「いつでも、必ず誰か、どこかとつながる」、ということを頭に入れておく必要があります。

つながり先には、パートナーや実家や親戚、友人といった個人的なネットワークがあり、地域の子育て支援センターや保育園、幼稚園、学校などの社会資源があります。しかし、そもそも追いつめられている人は個人的なネットワークが脆弱でしょうし、自力で社会資源を見つける余裕はないはずです。

そこで、地域の保健センターを「つながり先の総合窓口」と捉え、まずは保健センターにどんなことでも相談してみるといいと思います。必要があれば、より専門的な支援窓口につないでもらえますし、友だちづくりの出会いのサロンなども案内してもらえます。ほとんどの場合、利用は無料です。多くのつながり先を持っていれば、解決への糸口やヒントはかならず見つかります。

そして、周りも無関心でいてはいけません。知り合いが子育てで追い込まれているように感じられたら、まずはしっかり話を聴き、できる範囲で手を貸してあげることです。さらに支援が必要だと感じられたら、保健センターの窓口に付き添ってあげるような支えもしたいものです。こうした寄り添いができれば、追いつめられた人をネグレクト加害の危機から救うことができるのではないかと思います。
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